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4 メンタルヘルス教育について

 

これまでカウンセリング・マインドということ念頭において、主として中間管理職を含む職場の上司などの職場におけるメンタルヘルスヘの取り組みについて述べてきました。このことが円滑に行くためには、カウンセリング・マインドということの意味を理解し、職場のメンタルヘルスー般についての知識をもってもらうことが不可欠です。

もちろん、高度な専門的知識をということではありません。前にもふれたと思いますが、上司、中間管理職といった立場の人たちは、仕事上の監督者であるとともに、部下の健康管理の一端を担う者と考えてもらいたいということです。

身体的な健康管理については、職場の定期健康診断もありますし、自己の責任に負う面も多いと思いますが、メンタルヘルスに関しては上司の配慮がより大きな意味をもってきます。

そこで、このことを十分に周知してもらうためのメンタルヘルス教育が大切だといわれるわけです。

ストレス対策を含めたメンタルヘルスに関する知識の必要性は、若い人から定年間近の人まで、どの世代層に対してもいえることで、研修とか講習会などに際しては、年齢、性、立場などを考慮して、きめ細かく検討していくのが成果を上げるためには大切です。ここではカウンセリング・マインドという主題から、その番の担い手となる中間管理職の人たちへのメンタルヘルス教育といろことについて、簡単にふれてみます。本来すべての職員に対して必要なのですが、研修などについては、いろいろな制約もある中で、最も必要性の高い中間管理職の人を対象にしてというのが多いのが現実でもあるわけです。

カウンセリング・マインドとか職場のメンタルヘルスといっても、漠然とした何となく知っているということではなく、実際に役立つ知識をもってもらうことが望ましいと思います。

パンフレットや手引書などもたくさん出ていますし、それらを参考にして取り組んでみるのも十分に意味のあることですが、専門的とまではいかなくても、普段仕事としてやっていることとは違うことが多いわけですから、何となく分かったという感じはあっても、なかなか十分には理解できないことも多いのではないかと思います。

 

 

 

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