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とりあえず、きちんとした分煙対策をといいましたが、もちろん健康管理という点からは、これからも禁煙対策は進めていくべきではあります。

禁煙してストレスがたまるよりはとか、ストレス状態になるよりはましだとかいうのはどんなものでしょうか。

性格の暗い人とか内向性の人は喫煙量が少なくても肺癌にかかる割合が高いなどと書いてある本もあり、ストレスと癌との関係さえいわれているこのごろですから、ストレス解消のため気分よく煙草を吸うのだというのは、少し言危弁のような気がします。

結局、今のところ現実的には、煙草を吸う人と吸わない人の両者の立場を配慮しての十分な分煙を、しかし、本来の目的としては、職員の健康維持のために、禁煙対策を進めていくのは当然のことで、ある意味ではこれもメンタルヘルス教育の一貫であるといえなくもないと思います。

 

キ アルコール依存症と適正飲酒

最近、職場でアルコール依存症などの問題が大きくなってきたというわけではありませんが、アルコールや薬物依存症などについては、社会的には、以前より問題が多くなってきたような印象があります。

もちろん、様々な薬物などに比べれば、アルコールは手軽に手に入りますから、数の上ではアルコール依存症の方が圧倒的に多いのは当然です。

以前は〜〜中毒というようにいいましたが、今はそれがなければどうにもならない状態をということで〜〜依存(症)といいます。

したがって、いろいろな依存症があるわけで、犯罪につながるような麻薬、大麻、覚醒剤などから、睡眠薬など。煙草をやめられないのも依存の中に入るでしょう。また、その意味あいから、物質でないものへの依存、例えば母親への依存などと使うこともあります。

アルコールや薬物については精神的依存とか身体的依存とか、またそれに基づく中毒症状が出た場合には中毒性精神病という呼び方をすることもあります。

 

 

 

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