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酒の力を借りてというのは論外ですが、このような場を上司と部下との間の人間関係をよくするために役立たせるということも可能かと思います。常識をはずさない範囲で、それぞれが自分の思っていることなどを話し合うのはいいことですし、といってもなかなか普段の仕事場では、直接の仕事関係についての話し合いは別としても、自分の思っていることを率直に口に出すのは難しいことがあるでしょうし、その辺のところは、上司などがどう配慮しても理想的にはいかないのではないでしょうか。もちろん、そういう場で、思うように話し合えることが一番いいというのは当たり前ですが、現実的に考えれば、余り堅苦しく考えないことも必要でしょう。「無礼講、会社へいったら無礼者」などという駄酒落がありますが、その辺は各々の良識の問題ですから。

私の勝手な言い方になるかもしれませんが「赤提灯はカウンセリング」というのは一面で、サラリーマンの生活をよく言い表していると思います。何も高級な料亭へ行く必要はないのですから。

もっとも講演などで、このような話をすると、酒の飲めない上司や部下の場合はどうしたらいいですかなどと意地の悪い質問が出ることがありますが、これはあくまでも上司と部下との付き合いの例ですからと逃げるしかないのですが。

三つのRのもう一つは、リラクゼーションですが、これは、リラックス状態を作ることという意味で、仕事で疲れたから背伸びをするとか、煙草を一服吸うということもそうですし、家へ帰ってゆっくり音楽を聴くのもそれに入ります。時間の長さによって分けていることもありますが、ここでは、疲れやストレスがたまったと感じた時に、何か自分で気分転換をすることと考えておいてください。レクリエーションでもリラクゼーションでも、何か決まった方式や約束事があるわけではありませんので、自分の思うようにやっていいと思います。

一次介入ということについては、一応ここまでにしますが、ストレスということについては、日本人が外国人に比べて強いのか弱いのかというはっきりした資料がありませんので、何ともいえませんが、日本人のアンケートの中で、ストレスにどう対処していますかという問いに「じっと我慢をしています」という答えがあったりします。

 

 

 

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