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ここでは個人の対応について考えてきましたが、レクリエーションということでは、職場全体のレクリエーションというのが、職場としての人間関係をよくするために、ひいては、職場のストレス解消に役立つということがあろうかと思います。ここでカウンセリング・マインドを持ち出すのは少し筋違いかもしれませんが、なかなか職場の多くの人たちが参加できる企画というのは難しいようです。一つには、悪い意味ではなく、個人主義的な社会にもなってきていますし、気の合った者同士で旅行をしたり、スポーツをしたり、趣味のことをするという風潮が大きくなっているように思われます。しかし、職場全体で何かをやるということはそれなりに意味があることというのも否定できませんし、実際、よほど不しつけなことがない限り、そういう場では、上司、部下の垣根を越えて過ごすことができれば、お互いの人間関係の上でもプラスになることがあるでしょう。

そこで、このような企画は上からの押し付けでないということが第一です。

某企業で職員の参加が少なくなってきて、いろいろ相談した結果、入社して数年程度の若手グループに企画を任せたところ、なかなか好評で上も下も多数参加者があったという話を聞いたことがあります。100人が100人全員満足できるなどということはあり得ないのですから、なかなか苦労も多いとは思いますが、それなりにうまくいけば、また喜びも大きいことでしょう。

これと関係のあることで、上司の部下へのカウンセリング・マインドあるいは、部下の相談を受ける広い意味でのカウンセリングというところでふれた方がよかったのかもしれませんが、仕事を離れて、上司と部下が仕事の終わったあとで一緒に食事をするなど、俗にいう「一杯やる」ということがあるかと思います。これについてもいろいろ見方や考え方はあるでしょうが、職場の中ではなかなか遠慮していえないこと、聞きたいことなど、双方とも本音がでることがよくあります。

 

 

 

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