日本財団 図書館


性格的な偏り−人格障害−というのはどういうものなのかは後でふれます。もちろん、精神疾患にかかっている職員ということであれば、全く別に考える必要があります。

ところが、多くの場合、必ずしもどちらかに責任があって人間関係がうまくいかないとも考えられないということが多いのです。人それぞれ性格も違いますし、物の考え方、生活への姿勢、あるいは生活環境も違いますから、そのことが仕事をしていく上で、意見の違いとか摩擦を引き起こすことがあっても、ある意味では当然とも言えます。よく、相性がいいとか悪いとかいいます。それが、その人の血液型によるのか、生まれた月によるのかなどということはともかく、どちらが悪いともいえないのに人間関係がうまくいかないということがあり、少なくとも仕事を一緒にしていかなければならないとすれば、大きなストレスの原因となることは容易に考えられることでしょう。

アンケート等を見ると、上司とのトラブルと言うのは、ストレスとしては、かなり上位にランクされています。次いで同僚間、部下とのトラブルという順になるようです。確かに上司とうまくいかないのは大変つらいことですし、一方で、上司の立場でも部下とうまくいかなくて困るということも当然あるわけですが、どうもこのような時に、上司としては、ああいう部下をもって本当に自分にはストレスとなるとか、部下の方は、ああいう上司の元で仕事をしなければいけない自分は不幸だなどと、お互いに被害者意識をもってしまうと、更に人間関係は悪くなり、ストレス度も増すことになるようです。相性を良くする方法などというものが、そう簡単に見つかるわけはないので、職場のストレス要因としては、大きな問題になります。上司としての対応などについては後でふれますが、ここでは、部下から見て上司とうまくいかないというのが極めて大きなストレスとなるというアンケートの結果を踏まえて、上司の方にその認識とこれもカウンセリング・マインドといった考えも含めて対応する必要性があるという点が大事だということを強調しておきます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION