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もちろん仕事の種類によってはやむを得ない場合もあるでしょうから、それについては、別途考えていくことにします。それに、職場内の照明であるとか、また、事務職の人などでは、座る椅子ひとつにしても良し悪しが影響してきます。

職場の中のストレスで特に大きく取り上げられるのは、仕事そのものの関係と職場内での人間関係の問題ということになるでしょう。

これらのことは後で述べる業務過重と労働災害との点にも関連してきます。

仕事に関することでストレスとなるものについて、いくつか例を挙げて考えてみます。まず仕事の量的な負担ということが第一ですが、単純にいえば極めて忙しいということです。もちろん通常の業務時間内に忙しいとか暇だということもあり得るとは思いますが、常識的に考えて暇で困る職場というのはないという前提にたてば、残業とか超勤の時間数が多いということが問題になります。通常の業務の中でも、ゆっくり食事をとる時間もない、休憩もとれないなどのこともあるかもしれませんが、一般的には月100時間を超える残業などというのは、著しくストレスを増します。単に時間数だけでなく、内容の問題もあります。深夜にわたる残業、休日出勤などは、職員の身体のリズムを崩す元となって、更にストレス度を高めることになります。また俗にいわれるサービス残業とか見なし超勤とかいわれるものは、実際の見返りがない分だけ、その不満がストレスになることも考えられるかもしれません。労働時間と労働災害の関連については別に述べます。

次に質的な負担ということになると、量的なものと異なって数字で表すことはもちろんできませんが、いろいろな面が考えられます。どこの職場でも、個人個人が希望する職種に就かせるというのは、現実的に困難であるかと思います。が、人それぞれに、個性や向き不向きがあるわけですから、自分の希望しない仕事、自分には向かない仕事などに就いていれば、ストレスになることは確かで、単に職員のわがままとはいえない面があるでしょう。

 

 

 

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