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明るい社会づくりに尽くされた方々?平成12年度社会貢献者の事績?

 事業名 海難救助等社会貢献者の表彰等
 団体名 社会貢献支援財団 注目度注目度5


後藤清(ごとうきよし)

(昭3.9.18生 和歌山県日高郡南部町(みなべちょう))

 

小学校教員在職中の昭和56(1981)年以来、国内のウミガメ産卵地の一つである和歌山県南部町で毎年アカウミガメのモニタリングを行ってこられた。蓄積された約20年間のデータは、アカウミガメの生態研究の貴重な資料となっている。また研究を通じて、環境保護に尽力されている。

小学校の教員をなさっていた後藤さんは、地元の和歌山県南部町千里の浜で、昭和56年からウミガメの研究を始めた。世界に棲息しているウミガメは7種で、日本ではそのうちの5種が見られる。千里の浜は日本でのアカウミガメの主要の産卵地の一つである。現在までの20年間、後藤さんは標識調査・産卵調査などのモニタリングを継続してきた。

ウミガメは5月から8月にかけて産卵する。モニタリングは、毎晩日没後から深夜になるまで砂浜を歩いて往復し、産卵のために上陸したカメの数を数え、足に標識を付け、卵の数を数え、時には孵化できない場所にある卵を移植するという、肉体的に厳しいものである。また、8月から10月の中頃までは、卵の孵化の調査となる。若くはない後藤さんにとって大変な仕事であることは容易に想像される。これらの時期に浜歩きを休むことは1日もなく、それ以外の時期も2〜3日に一度は浜を歩いてデータを取り、海岸の清掃を行う。千里の浜で20年にわたり集めてこられたデータは、アカウミガメの生態を知る上で、大変貴重な資料となっている。

その温厚な人柄と、ウミガメや自然に対する情熱的な行動力に惹かれ、全国から集まってくる若い学生や研究者は多い。後藤さんはこれら若者たちと共に調査を続けているが、特に京大の学生および大学院生たちを受け入れ、その陰の力となって実施された研究成果は、若い研究者によって学術論文にされ、日本のウミガメ学を大いに向上させ、世界レベルにまで押し上げた。この業績は後藤さんの存在なしに行われることはなかった。

アカウミガメは、北太平洋においては日本でしか産卵しないため、日本の海岸の環境破壊は、アカウミガメの生存にとって重要な問題となっている。後藤さんは「南部ウミガメ研究班」を結成し調査をすすめる一方で、千里の浜が日本でも稀に見るアカウミガメが訪れる美しく静かな海岸の一つであり、その重要性と砂浜の環境変化に対する危倶を訴え、地元の人々の理解と協力を求めるために尽力されてきた。今では、地元の町教育委員会や町青年団の協力体制が整えられている。また、全国のウミガメ産卵地で調査・研究を行っている人々で構成されるNPO日本ウミガメ協議会では理事を務め、ウミガメを通して見えてくる環境問題についての意見の交換の場では、重みのある意見を発言されるアドバイザー的存在として、人望を集めている。

長期的な調査をきちんと毎年行っていくという不断の努力、そして後世のためにも調査対象や内容を広げ、少しでも多くの調査結果を記録し残していこうとされる意志、そして暖かい人柄は、若手のウミガメ研究者たちに大きな影響を与えている。

(亀崎直樹 推薦)

 

 

 

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更新日: 2017年11月18日

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