日本財団 図書館


山下麻則(やましたあさのり)

(昭30.3.6生 徳島県海部郡由岐町)

 

平成11年12月15日午後2時頃、関西電力御坊発電所沖約400?で一本釣りの操業中、大時化の中救命浮環に掴まり漂流している人を発見、直ちに救助。同船の船長も行方不明であることを知り、御坊市漁協に通報し捜索を続け、約50分後に漂流中の船長を発見し無事救助された。なお、捜索には通報を傍受した漁船2隻も加わった。

平成11年12月15日午前11時頃、会社員A氏、会社員B氏の両氏は、プレジャーボート「チャーリーII」に乗り込み、関西電力御坊発電所西方沖約100m付近に錨を入れ釣りをしていたが、急に風が強くなってきたため錨を上げて帰ろうと航走を開始した直後、船首から数回にわたり大波を被り浸水した。バケツで排水作業を行ったが沈没の恐れがあると判断し、海中へ飛び込み救助を待った。

午後2時頃、御坊発電所防波堤灯台沖約400mの付近で、山下麻則氏は自己所有の漁船「健新丸」に単独乗り込み一本釣り漁を操業中、大波の中を救命浮環に掴まり救命胴衣を着用して海上を漂流中のA氏を発見、直ちに救助した。

A氏の話からもう1人行方不明者(B氏)が居ることを知り、無線で御坊市漁業協同組合へ通報、捜索を開始した。天候は晴れ、強風注意報発令中、北西の風8m/s、波高2mで小型の漁船が航行するには厳しい状況であった。海上荒天の中、懸命の捜索の結果、午後2時50分頃、B氏も発見し救助した。

無線を傍受した和歌山県紀南救難所所属救助員の吉岡伸吾氏と紀中救難所所属救助員の浜中弘治氏は、それぞれの漁船で一本釣り漁業を操業中であったが、即刻中断し捜索救助に加わった。午後3時頃、両氏は、転覆し漂流していたプレジャーボート「チャーリーII」の船体を発見し、荒天の困難で危険な中を協力して曳航索を取ることに成功、午後3時30分頃御坊市塩谷漁港に曳航救助した。

救助された両名とも衰弱が激しかったが、「健新丸」から港で待機中の救急車にリレーされて病院へ搬送、治療を受け無事快復した。

((社)日本水難救済会 推薦)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION