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−ごあいさつ−

財団法人 日本太鼓連盟

初代会長 吉野和男

 

太鼓関係者の皆様には、ますますご健勝のこととお喜び申しあげます。

本年の2月任期満了に伴い、20年間務めた東京都府中市長を引退し、これを機に全ての公職から退くことにいたしました。これに伴い財団法人日本太鼓連盟の会長職も任期満了となる6月30日をもって退任いたしました。

1997年11月11日の財団設立時に初代会長として就任以来、日本太鼓は日本財団をはじめとする関係団体のご支援のもと、支部、加盟団体、会員の皆様が一丸となって事業活動に積極的に取り組まれ、大きく発展してまいりました。

一つめは会員組織制度の充実です。支部の設置や入会方法等会員制度に関する事項を明確化するために規程を制定し、各地の支部並びに加盟団体と緊密な連携を図ってまいりました。また、未組織の団体には財団に加盟するよう積極的に働きかけてまいりました。今日では、支部は32都道府県に開設され、加盟団体数は742チーム、会員総数は2万人を超えております。2002年までに全国47支部化を目指しておりますので今後は、この数はさらに増えることが確実視されております。

二つめは資格認定制度の充実です。日本太鼓資格認定に関わる事項を規程、要領化し、日本太鼓の指導者の育成と技術の向上を図ることを目的に「公認指導員」「技術認定員」の認定を全国講習会で行っております。最近では、各支部主催の講習会でも受講者が常に150名を超え、多くの資格者を輩出しております。一方、2002年から取り入れられる中学校での和楽器音楽教育に向け、先生をはじめとする学校関係者の講習会参加や啓蒙普及のための太鼓教室の実施が急がれます。

三つめは日本太鼓の普及、振興を図るための事業の定着化です。今日まで日本太鼓全国フェスティバルと日本太鼓チャリティコンサートはそれぞれ4回、日本太鼓ジュニアコンクールと日本太鼓障害者大会はそれぞれ2回開催しております。これらの大会は、いずれも多くの観客で埋まり、好評を博しております。しかし、日本太鼓の普及を高め、定着を図っていくためには、財団と会員全体が一丸となって時代の流れや社会の変化に対応していく必要があります。

四つめは日本太鼓の海外普及に務めることです。我が国を代表する伝統音楽の一つとして国際交流、文化交流の一躍を担うため財団設立以降今日まで海外公演を6回、13カ国で実施し、公演国で高く評価されております。これからは、海外での普及をより一層広げていくため、各国に拠点を設け相互間の交流を図っていく必要があります。

五つめは各地との情報連絡網の充実と諸会議の適正な運営であります。財団設立後は、規程に基づき、代議員会、運営委員会、技術委員会を設置し定期的にまたは、必要に応じ開催し、当財団の事業活動に関わる事項や要請事項等を審議し、太鼓界の発展に貢献しております。これからは、会員ひとり一人に諸会議の結果が周知徹底されることや会員の意見が支部や中央に反映されることが相互の信頼関係に結びつくものと考えます。

日本太鼓は、「故郷の心」を力強いリズムで奏で、聴く者の身体に響き、語りかけ、明日への活力を呼び起こす我が国の代表的な音楽です。これからも、日本太鼓が国内のみならず、諸外国においても愛好され、普及、定着されることを期待しております。

終わりに、皆様のますますのご健康、ご多幸を心からご祈念申し上げ、退任の挨拶といたします。

 

 

 

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