七月に実施した「被害者支援セミナー」の続編として、「被害者支援セミナーステップ2」を十一月七日、十七日、二十二日の三日間にわたり、当センター研修室で開催しました。受講者は、前回のセミナーを終了した三十名が、「支援とボランティア」〜支援のための具体的方法論〜等について受講しました。
はじめに、当センターの副理事長である山上教授から、「被害者支援ボランティアとして必要なことは何か」ということについての講義があり、「被害者への理解、守秘義務、仕事に対する責任の重要性」など、支援活動を行う上での心構えを学んでいただきました。
また、江幡玲子、穴田富美子コーディネーターからは、被害者支援の基礎知識として、「被害者を支援するために何が出来るのか、被害によってどんな影響を受けるのか」等の話があり、より具体的な内容の講義でした。
また講義の合間に、相談室の見学会を実施して、都民センターの雰囲気を実感していただきました。
今回のセミナーは、三日間とも平日の午後に開催しましたが、それでも多くの方が参加され、熱心に聴講されました。セミナーを通じて立派なボランティアが育ち、被害者支援の輪が、少しずつ広がっていくことを願っています。
(相談支援室)
ボランティアセミナーに参加して
最近、少年による重大事件の続発が社会に大きな衝撃を与えています。これらの事件を見聞きするたびに、事件にまきこまれて被害者となられた方や遺族の方々のやるせなさを思んばかっていました。この様なとき、被害者支援のボランティアセミナーに参加できる機会を得ました。
参加して感じたことは次の点です。
まずはじめに、被害者になったことのない人は、いくら気持ちが豊かで優しくても、所詮、傍観者の域を出ることはできないのではないかという危惧でした。たくさんの本が書かれ、またボランティアとなって、専門家を自称している人もたくさんいますが、その方々も、本当に被害者や遺族の心情を同じレベルで理解されているのかと疑問になりました。
それだけに、ボランティアとして被害者支援に携わる人は、ボランティアの気持ちがあれば誰でもいいというわけには行かないのだと思います。基盤となる人間性等についての適格性が求められるとともに、高度で専門的な教養と厳しい訓練が必要だと思います。
私のイメージでは、被害者の方や遺族の方の「盲導犬」になりきれるかどうかが、ボランティアとしての適格性の判断基準になるのではないかと思いました。
これからは、時間をかけて、このテーマを自分に課しながら、勉強をさせていただきたいと思います。
もうひとつは、最近活発になってきた「ボランティア活動」について感じていることですが、ボランティア活動のためには、その経費を自己負担することが求められていると思います。法人化された「NPO」のようになれば、最低の必要経費は支給されると思いますが、そこまで組織化されていないボランティア活動は、いきなり自費で活動することもあることから、ある程度、生活にゆとりがないと、活動に参加できないと思います。
「ボランティア人材」を幅広く結集するためには、制度化の検討も必要ではないかと、強く感じました。
(セミナー受講生・新堀栄介)