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直接支援に向けての実務研修

 

被害者支援都民センターでは、来年度から本格的に直接的支援活動を行います。私達センターのスタッフは、今、フォローアップサービスに備えて、いろいろな研修を行っています。

 

病院見学研修

六月二十日、スタッフ一同、病院の見学を行いました。

訪れたのは、江戸川区にあります「まつしま病院」です。産婦人科と小児科の病院です。病院はあまり大きくはありませんでしたが、病院らしくない瀟洒な建物で、院内も明るくきれいでした。私は病院独特の薬のにおいがあまり好きではありません。そのため病院のドアを開ける時はいつも緊張します。しかし、ここ「まつしま病院」はそういった薬の臭いもしませんでしたので、緊張もせず安心して院内へ入ることができました。

四階の部屋で院長先生と婦長さんからお話をうかがいました。このお二人は、それぞれの立場と役割を認めあいながら、とてもいい信頼関係の中でお仕事をなさっているなと感じました。

先生は、性暴力被害にあった方への対応のあり方や、性感染症についての検査・内診等について、わかりやすく丁寧に説明して下さいました。また、被害者などに「まつしま病院」を紹介する時には、どのように説明したらよいか等をお聞きしました。

最後に、カウンセリングルームと診察室を見せていただき見学を終えました。短い時間でしたが、頼もしいお二人に元気づけられ、このような病院なら被害者の方を不安なく紹介できるのではないかと心強く感じました。(S・W)

 

交番の勤務と施設を勉強しました

七月十三日、梅雨明け前の猛暑の中、山上副理事長以下六名のセンタースタッフが、警視庁三田警察署・芝園橋交番を訪問しました。

直接的支援活動を行うためには、警察との連携が重要であることから、その手始めに交番見学を実施することにしました。

芝園橋交番は、三田警察署管内で、ただ一つの女性警察官が勤務する交番です。

訪問した際は、ちょうど沖縄サミットを控えており、特別警備体制の真最中でした。そのため、交番は、女性警察官は一名だけで、男性警察官と一緒に勤務する体制でした、また、私達が訪問するということで、本署からも応援に見えていました。

芝園橋交番はハイテク交番ということで、交番勤務員が不在の時に利用する、タッチ式の地理指導パネル(地理案内板)が設置されておりました、試しに緊急ボタンを押してみますと、テレビ電話方式で、署のミニ司令室(警察署の110番)の担当官と直接顔を見ながら会話がすることが出来ました。

交番の特徴を尋ねますと、街の人々から「芝園橋交番には女性警察官が勤務しているということが徐々に浸透してきたためか、女性による困りごと相談などが結構あります」ということでした。また、先日は、「近くのホテルで行われる結婚式に出るため、駅から歩いてくる老婦人が途中で気分が悪くなり、木陰でしゃがみ込んでふと前を見ると交番があり、勤務員が女性なので気楽に休ませて下さいと申し出ることができ、しばらく交番の待機室(休憩室)で横になり、元気になって式場へ向かった」ということもありましたと、女性交番ならではの事例を紹介してくれました。

また、思わぬ勉強にもなりました。訪問した同僚の一人が「今朝、所用で銀行に立ち寄った際、入口に日傘を忘れてしまい、すぐ取りに行きましたが、もうそこにはありませんでした。ここで盗難届を出してもよいですか」と申し出ますと、女性警察官が「それはお気の毒ですね、今ここで届出を受けますが、それは盗難ではありません。置き忘れですから、遺失物として扱うことになります」と教えられ、皆で「あっ、そーかー」と勉強にもなりました。

交番は、女性が勤務している場所らしく清潔で待機所にも花が生けられ、とても良い感じでした。

本署から来ていただいた係長さんからは、署の被害者支援体制等についての説明もあり、約一時間にわたった訪問を無事終えました。

私達は、わずかな時間ではありましたが、直接都民と接している警察の一部分を身近に知ることができたと共に、また、警察官と様々な会話ができたことで、これからの警察との連携活動に、大いに役立つのではないかと、気を強くしながら交番を後にしました。(S・I)

 

 

 

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