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(10) 夜間航行に際しては、より厳重に周囲の見張りを行うとともに、灯台、灯標、著名物標等を確認し、更に海図で位置を確かめながら航行すること。

また、昼間のうちに、海上での工事・作業場所や漁業施設の設置状況等を把握しておき、海図へ記入することも有効な手段です。これらの状況が把握できていないと、プロペラに漁網を絡ませたり、護岸へ衝突するといった事故を招くことになります。

(11) 自動操舵装置を使用している場合は、自船の位置を確認しながら航行すること。

自動操舵装置は、風向や潮流の影響を補正しながらコースを航行するように設計されてはいません。自船の位置を確認せず、装置にまかせたままにしておくと、当初定めたコースより風下側のコースを航行していたり、ともすれば衝突、座礁などの海難の原因となります。

(12) 事故の発生等緊急時に備えて無線設備、携帯電話等の連絡手段を確保しておくとともに、目的地、入港時間等の航海計画を関係者に知らせておくこと。

出港前には、無線機の通信テストや携帯電話の通話可能範囲か否か、忘れずに確認しましょう。

(13) 入港後は、船が流出して船舶の航行障害にならないよう、また、遭難の誤解を招かないようにしっかりと係留するとともに、雨水や波の打ち込みを防止するためハッチなどの開口部は確実に閉鎖し、関係者に必ず入港の連絡をしておくこと。

 

この他、当庁のパンフレット「海難0へのチェックポイント」でも海難防止の基本的な注意事項が記載されていますので、活用して下さい。皆さんが安全に楽しく、プレジャーボート等の運航にあたっていただけるよう願っております。

 

親子3人死亡・行方不明を考える

日本海難防止協会 企画部長 菅野瑞夫(かんのみずお)

 

はじめに

7月10日(月)、私が出勤して間もなく、某テレビ局から電話があり、明石海峡で発生した親子3人行方不明事故の件でいろいろな質問があり、頭に入っていることを答えていたら、結局は午後にカメラマンが来て、夕方のテレビニュースに10秒ほど登場ということになりました。

 

 

 

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