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【海上保安庁の国際協力の実績と目指す方向】

 

総務部国際課国際協力係長

野口英毅

 

1. これまでの実績

政府開発援助(ODA)による海上保安庁の国際協力は、国際協力事業団JICA)を通じ、昭和46年度から集団研修「水路技術」コース(昭和47年度に「水路測量」に改名)を開始したのを初めとして、昭和48年度から長期専門家(海上保安分野)をインドネシアに派遣、昭和50年度には開発調査事業「インドネシア国ロンボック・マカッサル海峡水路調査」に協力を始めた。また、平成3年度には、新しい国際協力事業の形式として「サウディアラビア原油回収国際緊急援助隊専門家チーム」を派遣した。

その後もODAによる国際協力は順調に進展し、平成11年度末までに66の国、地域から1,000人以上の研修生を受け入れ、また、専門家、調査、緊急援助等で32の国、地域に長期、短期を合わせ600人以上の職員を派遣してきた。平成12年度に行っている若しくは行う予定のある集団研修は「水路測量」「海洋環境保全」「救難防災」「航路標識」及び「海洋調査・データ処理」の5コースであり、また、インドネシア、マレイシア、フィリピン、モーリシャスに長期専門家を派遣している。

これまでの実績について、主なものとして研修員受入れ、専門家派遣について以下に取りまとめてみる。

 

1.1. 研修員受入れ

当庁の行ってきた研修員受入れは、集団研修と個別研修がある。集団研修は、日本であらかじめ設定したコースに複数の開発途上国からの研修員を受け入れるものであり、昭和46年度に「水路技術」コース(昭和47年度から「水路測量」に改名)が開設された。その後、昭和47年度に「海洋物理」「航路標識」、昭和57年度に「救難防災」、昭和58年度に「海洋環境保全」、昭和62年度に「海図作製」コースが開設した。なお、昭和62年度以降「海洋物理」と「海図作製」は隔年で交互に実施された。さらに平成10年度からは「海洋物理」と「海図作製」を廃止統合し「沿岸海洋調査・データ処理」(翌年度からは「海洋調査・データ処理」に改名)を新設した。

 

 

 

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