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吟詠のさらなる発展のための提言

舩川利夫先生に聞く

吟詠上達のアドバイス―第41回

 

前月まで二回にわたって身体を柔軟に、そして豊かにするトレーニングを練習しました。

続けて実施していますか?

今月はからだづくり運動の補足と、音の強弱を効果的に出すことを勉強します。

 

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舩川利夫先生のプロフィール

昭和6年生まれ。鳥取県出身。米子工業専門学校卒。箏曲家古川太郎並びに山田耕作門下の作曲家乗松明広両氏に師事、尺八演奏家を経て作曲活動に従事。現代邦楽作曲家連盟会員。若くして全日本音楽コンクール作曲部門一位、NHK作曲部門賞、文部大臣作曲部門賞などを受賞されるとともに平成4年度(第8回)吟剣詩舞大賞の部門賞(吟剣詩舞文化賞)を受賞されている。数多い日本の作曲家の中でも邦楽、洋楽双方に造詣の深い異色の作曲家として知られる。おもな作品に「出雲路」「複協奏曲」その他がある。また、当財団主催の各種大会の企画番組や吟詠テレビ番組の編曲を担当されるとともに、夏季吟道大学や少壮吟士研修会などの講師としてご協力いただいている。

 

声の量を正しく調節

 

背筋力をつける

良く響く声を作るには、自分のからだを積極的に改良していく必要があることはお分かりになったと思います。前回のからだづくりトレーニングでは、背筋(はいきん)の運動が少し足りないと思われたので、ちょっと補っておきましょう。背中の肩甲骨周辺と下の部分の筋肉ですが、声を出すときの共鳴体として、また背すじを伸ばして良い姿勢を保つ上でとても重要な役割を持っています。前月と同じく、B&G東京センター・スポーツ課の指導で、自宅で簡単にできるトレーニング方法を作ってもらいました。試してください。

(背筋を強くする運動参照)

 

胸式呼吸は禁物

音声の強弱を効果的に、正しくつけるには何が大切か。これが今月のテーマです。「それは簡単、大きい声は勢い良く息を出せば良い」と言う訳にはいかない難しさがあります。ここでの問題は1]呼吸の仕方、2]共鳴のさせ方、の二つに分けられます。先ず呼吸。吟では歌い初めから強い音で出ること(硬起声といいます)がよくあります。少壮吟士の中にも時たま見受けられる光景ですが、初めに肩で息を大きく吸い、一、二の三で肩を下ろす勢いで息を強く押し出して吟じ始める。私達がガックリしたときや、疲れたときに「アーア」と溜息をつきますね。

 

 

 

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