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IV. こどもL.E.C.センターの生活支援

 

はじめに

こどもL.E.C.センターを必要とし、入所してくる子どもたちは、これまでの生活環境の中で様々な心の傷を負ってきた子どもです。家庭、学校、あるいは地域の中で、対人関係につまずき、動けなくなってしまった子どもや、やり場の無さを家族や周囲の人にぶつけて、心の傷をさらに広げてしまう悪循環に陥っている子どもなどです。

このような子どもたちは、抱える問題が対人関係における混乱であるがゆえに、施設の生活の中でそれまでの対人パターンが反復的に再現され、子ども達だけではなく職員の間に潜在する不協和や不備が微妙に揺さぶられ、逆に子どもの問題を刺激してしまうこともあります。私達職員は子ども達との生活の中でそのことを自覚し、対応することを心がけています。

 

1、 生活の中で

こどもL.E.C.センターでの生活支援は、子どもたちがより快適に、安心できる居住空間作りを目指しています。生活スペース、又は個室等で、基本的な生活習慣である食事、排泄、入浴、清掃や整理整頓の態度を育てたり、遊びや学習をする中で社会性を伸ばしたりしています。また、子どもや職員とのふれあいの中で実行力や自律・協調性を育てていくと共に、学習や作業活動を通して、自分の持っている豊かな可能性を伸ばしていけるような工夫をしています。

施設にいる子ども達はほとんどが仲間作りや集団の中で上手く適応していくことが苦手で、自分が皆から認められていないと考えていたり、自信を失っています。このような子ども達も日課の中での友達や職員とのふれあい・遊び・スポーツ・作業など皆と一緒に行動する楽しさを通して、自信を取り戻していきます。職員は日々の生活の中で子どものどんな小さな努力でも認め、常に励まし、自分で行動することの楽しさを引き出していきます。

 

2、 日課(平日)

7:30 起床…一律に声掛けはしますが起床時間はそれぞれの体調や心の状態で違います

8:00 朝食

9:00 掃除…役割分担をつくり子ども達に任せます

9:30 登校(センター内の教室・1階)…登校できない子どもは2階の生活スペースで学習します

12:00 昼食

13:30 午後プログラム(創作活動・スポーツなど)

15:00 おやつ

自由時間…子ども同士や子どもと職員がふれあう大切な時間です

18:00 夕食

入浴・自由時間

 

 

 

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