日本財団 図書館


New Elder Citizens

新老人の生き方に学ぶ4]

 

生命にみたされた人生

日本ハンドベル連盟理事長 伊藤朗(75歳)

21世紀の幕あけは軽井沢のPホテルで、子供、孫たちと共にスキーを愉しみました。元旦は5時半起床、動きはじめたスキーリフトで矢ケ崎山頂上へ昇り、まばゆい輝き、威勢よく昇る初日の出のパワーに心打たれ、思わず、はじめに神は天と地とを創造された(創世記1・1)との言葉を口ずさみ、今春76歳を迎える「我が人生」のスタートを切りました。

お正月早々、1月4日から1週間、米国に留学している高1の孫(ユトレック交際交流センター日米学生交流プログラム)を訪ねがてらその団体の顧問として、コロラド州プエブロヘ。12日帰国、13日と14日は日本ハンドベル連盟理事長として全国理事会を東京で開催するというスケジュール。そして私の21世紀最初の原稿として、元旦に孫たちがゲレンデに出たあとの静かなホテルの一室でこれを書いています。

青少年時代、戦争のさなかにあった私は、47歳にして初めてスキーを試みました。当時は青山学院初等部部長(校長)でした。校長は毎月曜日運動場で約700名の生徒を前に話をしなければなりません。ある朝、私はふと真白な雪の上で、一面銀世界の中で朝礼をしたら、私の話の内容も、聞いている子供たちの考えも、また教師の教育観も変わるのではなかろうかと考えました、早速渋谷のキャンパスから長野県黒姫ラボランド(約3万坪)への学校まるごと1週間の移動を提案し、数ヵ月のリサーチと協議のすえ決定しました。そして昭和47年から実施、「雪の学校」と名づけて全教職員、用務員、ボランティアリーダーを含む700名の大移動が始まりました。今年2月にも第29回雪の学校が開催される予定です。私は40歳になった時、スキーはやるまい。足でも折ったら大変だと思っていました。その私が雪の学校を提案したのですから誠に不思議です。技術を教えるだけのスキースクールではありません。冷たいきびしい雪の中で生徒や教師が感じ、考え、行動する学校なのです。スキーは雪国の生活に欠くべからざるものであり、私もやらざるを得なくなったのです。(雪の学校については別の機会に詳細をお伝えしたいと思います。)

57歳で部長職を退き時間も生じたので、生涯チャレンジの1つにスキーを加えました。66歳春、青山学院ハッピーリタイアを機に、私のスキーの先生と共にカナダのウイスラー、ブラッコムを訪ね、またある年はイタリーのモンブラン、フランスのメルビルでスキーをたのしみ、今回訪ねる米国のスキーのメッカ、コロラドヘの荷物の中にもスキー靴も入っています。

また昭和53年から、学院卒業生Nさん(日本伝統芸術振興会代表)のすすめで、4年以上の生徒全員に年はじめに日本古来の伝統芸術能楽にふれる教育を始めました。私の停年後、今日では、私立小学校、幼稚園にまでこの教育が広まり、昨夏、国立能楽堂での幼児の能楽鑑賞の模様がNHK番組で放映されました。私は今も当会の理事を務めています。

ある夏、シアトルのアウトドア専門店でキャンプ用の寝袋を買いました。その買物袋に、店の名前ではなくて、“Never Stop Exploring”とありました。Explorとは探検する。探究する。との意味です。人生は幾つになってもこの心を失いたくないものだと思います。

 

新老人の会では各地でセミナーを企画中です

 

福岡

2月4日(日)

13:30〜16:30

福岡センタービル

(博多駅前)

参加費1,000円

 

神戸

3月18日(日)

13:30〜16:30

ゴーフル劇場

(中埠頭駅前)

参加費1,000円

 

お問い合わせはTEL(03)3265-1907

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION