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最新改訂版の序

 

改訂版を出して7年の歳月が過ぎ、内容の追加・変更を必要とする項目も増えてきました。この7年間に尿失禁の治療分野にも大きな変化がもたらされました。

尿失禁の保存療法の重要性が主として看護部門や理学療法部門の失禁を担当する専門家から唱えられ、数多くの論文が報告され、国際学会で発表されてきました。これに応じた種々の尿失禁に対する器具が開発され、良好な治療結果が得られるようになりました。とくに、失禁に対するBiofeedbackをはじめとする行動療法の分野、低周波療法や電気刺激法などの理学療法分野での目覚ましい進歩がありました。手術療法面では可能なかぎり侵襲度を小さくするための努力がなされ、種々の手術手技が発表され評価されてきました。侵襲度の少ない手技として、尿道粘膜下へのコラーゲン注入療法が取り入れられ、可能な限り手術侵襲の少ない抗尿失禁手技とそのキッドが開発され、職人芸的な熟練を要する手術手技からある程度経験を積んだ専門医なら行える手技に変わりつつあります。

21世紀を迎えた時期に本書の改訂が計画されたとき、心を新たに改訂版出版に取り組むべく看護部門からの執筆を田中純子氏(聖路加国際病院WOC認定看護師)に依頼しました。失禁に対する看護・介護面からの視野が広がる内容になったと思います。旧版に増して読者各位がご愛読される小冊子に育つように皆様からのご意見、ご援助を願っています。

 

2001年1月 聖路加国際病院にて

著編者記す

 

 

 

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