POS方式では、まずデータが集められ、監査にいたるまでのプロセスは、情報の集収と問題リストの作成(分析)、解決のための計画、計画の実行、監査(経過)といきますが、これは看護過程と同じであって、両者にあまり差はないようにも思えます。
では次に、アメリカで流行してきた看護過程(看護実践)の中のフォーカス・チャーティングの出現と、ウィードのPOMR、そしてEBMの登場、そしてそのアメリカのシステムがどれくらいの年を経て日本に導入されてきたか、その間にかなりの時差のあったことを先出の表1でもう一度確認してみましょう。
1981年にはアメリカでランピー(Lampe)により発表されたフォーカス・チャーティングは図2のように定義され発表されました。これはデータ(Data)を分析して(フォーカスを当てて)、必要な行動計画を書き出して実行するアクション(Action)により、結果はどうか(Response)をみるというD・A・Rを簡明にチャートにナースが記入する形式のことです。
ランピーはフォーカス・チャーティングを次のように説明しています。「D(データ)とは、1]患者の行動、2]ナースが観察した患者の状態であり、A(アクション)とは、3]看護行為の計画と、4]実際の看護行為である」。これはまさにPOSのアセスメントと立案と実行に当たるといえるでしょう。
プロブレム・ソルビングの基本的な問題
日本の外来診療では、患者は問題を持って診察を受けにきます。そして、帰る時は表情が変わっています。