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専門家でないカウンセラーは、問題を解決するスキルが十分でないために、クライアントのもつ問題の理解も、そしてその解決の方法もどうしても単純化してしまう傾向があります。単純な問題であればそれでも援助にはなりますが、複雑な問題になるとかえって援助自体が問題を大きくしてしまったり、また、専門的な治療を受けるのを遅らせてしまう結果にもなるのです。何かにたとえるなら、目的地に行くための地図のようなもので、その地図の目が粗いのです。ですから、ひとつの問題を解決するときに、小さな道や裏道などまで書かれていない地図では、目的地に行くのに非常に遠回りになったり、迷ったり、行き着けなくなったりすることがあるのではないでしょうか。あるいは、あまりにも問題を単純化してしまうということもあります。また、あまりにも依存させてしまったり、病理があるのに問題そのものを見逃したりすることもあるのです。それは逆にいうならば、スピリチュアル・ペインを増幅させる原因にもなってしまう危険性があるということを理解する必要があります。

それではどうしたら真の援助ができるのでしょうか。

 

2. 癒しの関係の確立

癒しのかかわりに至るまでにはいくつかの問題を乗り越えることが必要です。ここでは3つの問題についてお話しします。

 

分離から直視へ

第1は、分離ということをしてしまうことがあるということです。それはどういうことかといいますと、援助者が、クライアントが体験しているスピリチュアル・ペインの原因と見られる人々を−それは家族の場合もありますし、あるいは職場における人間関係のこともありますが、すべて悪いのだといって、クライアントの現実を分離してしまうことです。

 

 

 

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