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次には、「そうであるとするならば自分には生きる意味があるのだろうか」ということで、自らの命を断とうとする人さえいます。実際に実行しなくとも頭で考えたりします。あるいは、「こんな状態で自分は生きる目的があるのだろうか」と考え始めます。

このような疑問を抱くようになるときに、まさにスピリチュアル・ペインを体験しはじめます。

以上、スピリチュアル・ペインがどのように体験されるかということをお話ししました。自己充足の破綻、そしてそれから生じるさまざまな問題とか危機に直面するのですが、必死でそれを解決しようとします。ある場合には解決できるでしょう。ある場合には解決できないこともあります。解決できなくて、それが長期化して慢性化すると、先ほどお話ししたような疑問が内側から湧き出てきます。そしてスピリチュアル・ペインを体験しはじめます。

それでは、スピリチュアル・ペインを体験している方々にはどのように対応していったらよいのでしょうか。

 

スピリチュアル・ケア・サイクルに入るには

 

援助者−ナースや援助職にある方ばかりでなく、家族、ボランティアなどの中で援助者の役割を担うすべての方々は、スピリチュアル・ペインを体験している方々に対してどのような姿勢をとることが重要なのでしょうか。

援助者たちが基本姿勢としてもたなければならないのは、クライアントがスピリチュアル・ケア・サイクルに入れるようなかかわりをしていくということです。

 

 

 

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