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III. 自動車交通のグリーン化

 

自動車交通が抱える地球環境問題及び地域環境問題を解決するためには、自動車社会の利便性を確保しつつ、環境負荷の小さな自動車社会を構築するための総合的な対策である「自動車交通のグリーン化」を進める必要があります。

 

1. 環境自動車の開発・普及

CO2、NOx、PMの排出量が少なく、環境負荷の小さい自動車(環境自動車)の普及促進を図るため、近年、燃料電池車やジメチルエーテル車等の技術開発や、ハイブリッド車や圧縮天然ガス(CNG)自動車等の低公害車、低燃費車の普及が進んでいます。

現在、環境自動車のうちハイブリッド自動車、CNG自動車等の低公害車は2000年3月現在で約5万台が登録されています。1997年度末には約3,500台しか登録されていませんでしたが、1997年後半から、消費者が購入しやすい価格でハイブリッド車が販売開始されてから、急速に登録台数が伸びています。

また、ガソリン車等においても、2010年新燃費基準を達成している自動車の新規登録台数が、1999年度では、全体の590万台のうち、134万台に、また、NOxやPMの排出量が少ない「低排出ガス認定車」も175型式に達しています。(なお、自動車の燃費については、「乗用車等燃費一覧」として、国土交通省のホームページ等で情報提供されています。)

 

コラム:環境自動車

自動車に起因する地球温暖化や大気汚染といった環境問題を対処するには、利便性と環境との調和を図りつつ、環境への負荷の小さい自動車(環境自動車)の開発・普及が必要です。

環境自動車と呼ばれるものとして、以下のものが挙げられます。

1] 低公害車

■ハイブリッド自動車

制動時に発生するエネルギーを電気又は油圧として蓄積し、発進、加速時にエンジンの補助動力として使用する自動車です。ハイブリッド自動車は、CO2が1〜5割、NOxが2〜5割削減される特性をもっています。燃費に優れ、ガソリンエンジンをベースとするハイブリッド自動車の普及が進んでいます。

■圧縮天然ガス(CNG)自動車

天然ガスを主原料とする都市ガス(13A)を燃料とする自動車です。天然ガスは、メタンを主成分としたガスで、硫黄分その他の不純物を含まないため、燃焼させてもSOxや黒煙が発生せず、また、CO2の排出量がディーゼル車より2〜3割、NOxが7〜9割削減される特性をもっています。現在、トラックやバスについて、普及が進んでいます。

■メタノール自動車

アルコールの一種でもあるメタノールが原料です。メタノール自動車には、ディーゼル車をベースに改造したタイプとガソリン車をベースに改造したタイプがあり、いずれも黒煙がほとんど発生せず、NOxの排出量もディーゼル車の約半分に削減する特性をもっています。

■電気自動車

バッテリーに蓄えた電気でモーターを回転させて走る自動車です。排気ガスを全く出さず、走行騒音も大幅に減少され、電気をつくる際の発電所排出分を考慮に入れても、NOxやCO2はディーゼル自動車よりも少ないという特性を持っています。

 

 

 

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