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2. 海上輸送システム構築上の法的問題

廃棄物を海上輸送する場合には、廃棄物処理法による船舶の許可、横持車両の許可、積替・保管の許可などの取得が必要である。しかし、家電リサイクル法の特例によって指定引取場所からリサイクル工場までの家電リサイクル品輸送について廃棄物処理法上の許可が見直され、事業許可の面で陸上トラック輸送と同じ条件で競争することが可能になる。このように家電リサイクル法施行に伴う海上輸送システム構築上の法的な変更があるため、廃棄物処理法と家電リサイクル法の適用範囲、廃棄物処理法上の許可の見直しによる利点などについて整理することにする。

 

(1) 家電リサイクル法と廃棄物処理法の適用範囲

1] 法の適用の開始

・販売店で新規の家電購入時に販売店に引取られて家電の処理のための管理票(マニフェスト)が発行されたとき(販売店で再利用を考え、管理票が発行されない場合は適用されない)

・不法投棄されて、市町村の手で回収されたとき

 

2] 廃棄物処理法の適用範囲

・管理票を発行された家電リサイクル品が販売店又は販売店の委託者の手により製造業者の指定する指定引取場所に持込まれるまで。

・製造業者又は輸入業者が既に存在しない場合又は山間、過疎地等で指定引取場所までの輸送が困難なために引取場所に代わり指定法人が設けられている場合で、その指定法人に持込まれるまで。

 

3] 調査対象に係る家電リサイクル法が適用される範囲

・前述の指定引取場所から製造業者が家電の再商品化のために設けたリサイクル工場まで

 

4] 廃棄物処理法のうち家電リサイクル法が適用される範囲

・指定引取場所からリサイクル工場に持込まれるまでの下記部分:

○指定引取場所

○指定引取場所以外の運搬途中の積替・保管がなされる部分(港湾を含む)

○環境大臣の許可対象となっているリサイクル工場の設置基準その他

○製造業者が運搬を委託する業者の輸送手順等

 

 

 

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