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自動車共同利用システムに関する調査研究 研究会報告書

 事業名 交通における環境汚染防止施策の調査研究
 団体名 交通エコロジー・モビリティ財団 注目度注目度5


7. 都市における車との新しい付き合い方〔リュプケ氏講演資料〕

 

「都市における車との新しい付き合い方」講演会

平成12年7月18日(火)14:30〜

弘済会館 4階「蘭」の間

 

◆プロローグ 太田勝敏 東京大学大学院工学系研究科教授

 

カーシェアリングすなわち車の共同所有、利用というものは欧州では盛んだが、日本ではどういう意味を持つのだろうか。特に、環境負荷を少なくするという観点からどういう可能性があるのだろうか。ひとつの可能性ということで、エコモ財団の昨年度の調査の中で浮かび上がってきた。

そこで、カーシェアリングを実際に日本で適用するための条件などを詳しく調べてみようということになり、今年度、いくつかの委員会を立ち上げた。来年度は社会実験を目指している。今般、リュプケ氏が来日されるということで青木先生から提案があり、本日の講演会開催に至った。

資料1は『地域開発』97年7月号に掲載された私の論文である。欧州のカーシェアリングの動きを紹介したものであり、当時としては先駆的なものであった。これは、その年に私がスイスを訪れ、スイス連邦工科大学の先生にこのような新しい動きがあると聞き、Share Comの実際の状況を視察して書いたものである。その後、あれよあれよという間にスイス全体をカバーする大組織になり、サービス内容や管理の仕方も当初の草の根的なものからハイテクなものに進化してきた。さらに、公共交通機関とも結びついた。最初の提携はチューリッヒのzuri mobileであったが、東京でいえば営団や都バスや都営地下鉄の定期券を持っていればカーシェアリングの車も利用できるというようなサービスが提供されるようになった。その後、スイス国鉄の定期券を持っていればカーシェアリングが利用できるようになり、国全体に広がった。資料2に紹介しているが、ドイツのブレーメンでも公共交通との連携が始まっている。

こうした欧州の動きを見て、カーシェアリングはマイカーに代わる新しい交通手段としてそれなりの意味があるのではないかという認識を持った。

他国をみると、イタリアで約10都市、イギリスではエジンバラ他で、カナダでは5都市で、アメリカではシアトル、ポートランドで行われている。特にアメリカではTDMの中で新たに公共機関がかなり力を入れた形でネイバーフッドレベルで本格的に導入を始めているということで、興味深く見ている。

一方、ライフスタイルの提案として進めようという動きもある。住宅、マンションでカーシェアリングを組み合わせることにより、付置義務駐車場スペースを減らすことができる。同時に、子供が遊べるスペースが増える。このようなことを含めた新しい住まい方を勧めようという動きがドイツやイギリスのエジンバラなどで始まっていると聞いている。カーシェアリングには多様な展開の可能性がありそうだ。

日本でどんな将来性があるのか。単なるレンタカーのサービスの新盤として時間貸しという形でコマーシャルベースにのっているだけのものなのか、環境負荷を減らすことにどう繋げていけるのか、自動車の走行台キロをどこまで抑えられるか、あるいはEVを含めた低公害車と結びついた形でどんな共同利用の仕方があるのかなどを幅広く議論する必要があると思っている。とりあえず、大量普及を考えると一般の自動車をどのようにうまく使っていけるかということになり、本日お話を聞けると思う。EVを使った共同利用の実験がMM21や海老名で始まっているが、それとローテクなものをどう繋げていくか、また、ハイテクの管理技術を使って通常の車を共用することで新しい世界ができないかなどを含めて、各国の動きに注目しているところである。

 

 

 

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更新日: 2012年5月19日

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