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4. 先進的取組事例の整理

 

4.1 トラック運送業における環境保全活動の取組事例

(1) 取組事例調査の概要

環境達成度自己評価ガイドの作成のためには、トラック運送業において環境保全に関してどのような取組が行われているかを把握し、ガイドの評価項目や達成度の検討に反映する必要がある。

このため既存の調査と先進的な取組を行っている事業者(5社)へのヒアリングをもとに取組事例を整理した。

調査結果は以下のとおりであるが、資料やヒアリング先等の制約から大中規模企業の取組に限られ、特に業界の大部分を占める小規模企業の取組を把握できなかった。しかし、調査結果から業界の環境保全に対する関心や取組の方向性は十分推測が可能であると考える。

 

(項目別の概要)

1] 環境保全に係る方針の展開

・環境に関する方針の策定:環境方針として包括的な事項を示したものと、個別の方針(燃費の節約等)として示したものがある。

・環境目標の設定:定性的な目標設定と定量的な目標設定がある。

2] 実施計画の策定:エコドライブ推進のための計画が多いが、中には物流対策を含めた包括的な計画もある。

3] 推進体制および責任:企業の規模による差が大きい。

4] 取組結果の点検・是正

・目標達成状況等の確認・見直し:自動車の走行状況や燃費の定量的データをもとに、結果の確認、結果の評価と管理等を行っている例が多い。

・取組記録:燃費・走行状況・燃料等の定量的データを既存データをもとに整理している例が多い。

5] 環境にやさしい自動車の導入:低公害車や低燃費車導入計画を持っている企業はごく少ない。また、最新規制適合車の導入に関する計画は確認できなかった。

6] 自動車の点検・整備:法規制の範囲内で行っている企業が多いが、自主基準で実施している企業も見られる。

7] 公害対策の推進:走行中の公害防止と事業所・駐車場等での公害防止があると考えられるが、取組事例は少ない。このことは、工場・事業所に比較し、自動車の場合は環境負荷の把握が困難なこと、CO2の削減に関心が向いていること等が原因と思われる。

 

 

 

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