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2. トラック運送業の業態の整理 −事業形態およびその特徴−

 

環境達成度自己評価ガイドを作成するにあたって、対象とするトラック運送業の事業形態やその特徴について整理を行った。

現在(1998年度末時点)、トラック運送事業者の数は約52,000社であるが、このうち約9割を一般貨物自動車運送事業者が占めている。また、こうした営業用トラック輸送以外に、荷主企業が自社の製品の配送をトラック運送業者に委託せず、自らがトラックを保有し配送を行う(自家用トラック輸送)場合があるが、輸送量(輸送トンキロ)でみると全体の約2割を占めるに過ぎない。

また、トラック運送業の全体的特徴であるが、まず中小零細企業が多いことが挙げられる。保有しているトラックの車両数でみると、10両以下の事業者が約半数弱、50両以下まで広げるとこうした事業者が約9割を占めている。また、「傭車」と呼ばれる下請け制度が存在していることもトラック運送業の特徴である。

 

2.1 事業形態および経営状況

(1) 事業形態

1] トラック運送事業の事業形態の分類

■特別積合せ貨物自動車運送事業:不特定多数の荷主の貨物を積み合わせてターミナル間での幹線輸送等を定期的に行う。最終目的地に到着するまでに、集荷、発ターミナルの仕分け、幹線輸送、着ターミナルの仕分け、配送といったように、複数の異なるトラック輸送と貨物の積み替えを行う。宅配便はこの事業に含まれる。

■一般貨物自動車運送事業:まとまった荷物を車両単位で貸し切って、目的地まで直接運ぶ。貸し切りが主であるが、積み合わせ輸送を行うこともできる。

■特定貨物自動車運送事業:荷主企業を限定して、特定の貨物を輸送する。基本的には、一般貨物自動車運送事業と同じだが、荷主企業が限定されている点が異なる。

■霊柩運送事業:遺体を専門的に輸送する。

 

 

 

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