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高齢者・障害者等の海上移動における問題点に関する調査研究調査報告書

 事業名 高齢者・障害者の移動円滑化に関する調査研究
 団体名 交通エコロジー・モビリティ財団 注目度注目度5


II-2-1-2. 旅客船ターミナルのバリアフリー化の状況

旅客船ターミナルのバリアフリー化の状況については、平成12年3月に運輸省が20t以上の旅客船について調査した結果が公表されている。

1] エレベーター等の昇降設備

前掲の運輸省の資料によれば、エレベーター等の昇降設備の整備率は723隻中77隻(10.7%)であり、整備は必ずしも進んでいない。運輸省の資料の対象船舶は20t以上の船舶であり小型の旅客船等の中には、エレベーター等の昇降設備を必要としない構造の船舶が含まれているので、100%の整備の必要はないと考えられる。しかし、小型の船舶の中にも車両区域を有する船舶等では客席の利用にエレベーター等の昇降設備を必要とするケースもあるため、当面は昇降設備を持たない船舶においては旅客船事業者等の職員等による介助が必要になるケースが発生するものと考えられる。

2] 身体障害者対応トイレ

前掲の運輸省の資料によれば、身体障害者対応トイレの整備率は723隻中105隻(14.5%)であり、整備は必ずしも進んでいない。昨年度実施した「高齢者・障害者の海上移動に関する調査研究」においても、トイレについてはほとんどの船舶で設置されているものの身体障害者対応トイレの設置は、大型船でもされていないケースも見られ、船舶の規模が小型化するほど設置例は少なくなっていた。

 

II-2-2. 海上交通における高齢者や障害者に対する接遇・介助の必要性

海上交通においては、旅客船ターミナル、船舶等の双方においてバリアフリー化のための構造や設備は整備途上にあるといえる。こうした状況下で、高齢者や障害者等の安全かつ円滑な海上交通の利用を確保していくためには、旅客船事業者等の職員による接遇・介助といったソフト面の対応が他の交通モードに比較して重要であると考えられる。

また、旅客船ターミナルによっては、乗降時に高齢者や障害者等が桟橋や乗降用タラップ等の上でつまずいたり、転倒したりした場合に海面に転落する等の重大なリスクのある箇所が存在し、高齢者や障害者等の安全かつ円滑な利用を確保するため、状況に応じた旅客船事業者等の職員による介助が必要なケースも存在する。

さらに、海上交通分野においては、船舶の構造が船舶ごとに大きく異なっていること、海象の影響等によるゆれ、潮位の差等の海上交通特有の要因により、たとえバリアフリー設備が整備された旅客船ターミナルや船舶においても、高齢者や障害者等が安全かつ円滑に海上交通を利用するためには、旅客船事業者等の職員による状況に応じた介助が求められるケースも多いと想定される。

このように海上交通においては、鉄道、バス、航空機等の他の交通モードとは異なる海上交通特有の様々な要因により、交通バリアフリー実現のための設備面での整備と併せて、旅客船事業者等の職員による接遇・介助といったソフト面の対応が必要不可欠であると思われる。

 

 

 

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更新日: 2019年10月12日

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