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資料-4 スウェーデンのアクセシブル化計画の概要(訳)

(A More Accessible Sweden:よりアクセシブルなスウェーデンを目指して)

 

<骨子>

既存の公共建築物およびその他の公共施設は、2010年までに障害者が利用できるようにアクセシブルにしなければならない。地方自治体は、裁判所が必要と認めた支援を、それを必要とする人に提供できなかった場合に、ペナルティーを課せられることがある。全国アクセシビリティセンター(A National Accessibility Center)が設立される予定である。政府機関は、社会の全領域にわたり障害者施策を確実に浸透させるために重大な責任を負う事になる。

 

<背景>

障害者政策の目的は、障害を持つ人がコミュニティで生活を営む事に完全参加できる社会の実現にある。これは政府の1999年/2000年:79の法案における提案「患者から市民へ−障害者政策のための国家アクションプラン」の主旨である。

すべての人間が同じ価値を持つということは、われわれの社会を構築(design)するうえでの基本原理である。すべての人が、社会にとって重要な知識、可能性、経験を所有することである。ゆえに社会とは、こうしたことを踏まえて構築されるべきであり、それは、すべての人が社会の発展に貢献し、コミュニティ生活への完全な参加を享受することを認めるものである。

障害を持つ人がその例外ではないことは自明である。障害を持つ人も、他の人々と同じ権利と義務を持つ市民である。

 

●障壁は取り除かなければならない

1999年の政府施策声明文では、障害を持つ人の完全な社会参加の権利を行使することを阻むいかなる障壁(obstacles)をも取り除かなければならないと表明されている。これは障害者施策における変化を求めるものであり、将来的には施策は市民からの意見によって規定される必要がある。障害者施策は、民主主義と権利および国連の障害者標準規則(UN's Standard Rules)の実現という課題に焦点をあてたものでなければならない。障害を持つ人が完全参加と平等を保障されるようになることが必要である。

「障害」(disability)は、障害を持つ人が生活環境や組織化された社会活動において何らかの欠陥に直面した時にのみ「ハンディ」(handicap)になる。これらの欠陥を良い方向に転換し、アクセシビリティを改善するための手段が講じられた時に「ハンディ」を消し去る事が可能になる。障害者政策は、このような基本的な視点に基づかなければならない。

たいていの生活環境と社会活動は、障害を持つ人に少なくとも何らかの影響を及ぼす。従って、障害者政策は他のいかなる領域の政策とも不可分のものであり、それは社会のすべての部門に浸透させるべきものである。

法案の中で政府は障害者政策に関する国家目標を提示している。また、障害者が社会への完全参加を享受することを阻むすべての障壁を取り除くことに貢献することを意図し、そのための確固たる手段が提案されている。

 

 

 

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