日本財団 図書館


2] 試験運行の位置付け

1年間の試験的な運行であるため、運行方法、路線等全てが試行という位置付けである。評価が高ければ将来的に全区に展開する可能性をもっている。同時に、現在のルートを廃止(実際には難しい)することもありうる。ちなみに、本報告書とりまとめの時点(2000年12月)では、継続的運行と新たな路線拡大をはかる予定である。

試験運行を実施するための準備期間は、実質的に中間まとめ発表後1年しかなかった。市内のいくつかの場所で分散させて実施するために5ヶ所(6路線)が選ばれた。高頻度の運行を維持するために1路線につき4台程度の車両が必要であり、計20台の車両の購入を決めた。時期的に車両購入のための当初予算がつかなかったため、通常の大型車両を購入する費用が小型ノンステップバスの購入費に充当された。そのため車両価格は大型車の価格を越えない範囲で決められた。

 

(2) システム概要

1] 運行計画

路線計画では、これまでの交通局のノウハウから路線を5地域6路線に決定した(表2、図1)。特に住民からの要望を取り入れるなどの対応は行っていない。将来的に本格実施する場合には、住民と十分に協議することも予定している。既存路線バスと重複する部分は多いが、最終的な目的地が異なるので、利用者は目的に応じて使い分けていると考えられる。小型ノンステップバスと既存路線バスのニーズが異なるため、特に既存路線の利用者が減るという結果は出ていない。既存路線バスと重複する停留所には「100円」のマークをつけて識別しやすい配慮をしている。また、新設停留所には小型の低コストな停留所を採用した。青い色なので視認性が高い(図2)。

 

表2 5地域6路線の概要

184-1.gif

 

なお、人件費削減のため、ドライバーは、ほとんどが既に退職した人を嘱託として新規採用している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION