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a. 市のSTS委員会

イェーテボリ市の人口はおよそ46万人で、スウェーデン第2の都市である。また西の玄関口としてヨーロッパ諸国から多くの人が訪れる。ストックホルムからは約400km離れている。海岸線が入り組んだ地形が特徴的で避暑地としても人気が高い。急峻な山がない一方で、全体が丘陵地形になっており移動には車が欠かせない。

同市では、1999年に行政組織上の変更があり、それに伴い交通の位置付けも変更されている。ここでは、行政上の変化について述べた上で、具体的なSTSのシステムに言及する。

イェーテボリ市は、西イェータランドレギオン(Region)に属する市である。レギオンとは県(レーン)と同格の行政機構で、1999年1月1日から施行された制度によるものである。それまで同市は、市単独で他の県と同格の扱いを受けていた。

現在のレギオンは、2001年までは試行的に地域開発等の特別な権限を国から与えれており、特別なレーンとしての位置付けである。スウェーデンにおけるレギオンは、他にスコーネレギオンがあるのみである。

スウェーデンでは2000年時点で、21のレーン(うち2つは上述のレギオン)が存在する。市の単位をコミューンといい、それらがいくつか集まって県(レーン)を形成する。レーンは執行機関(議会)であるランスティングを形成するのが一般的である。しかし、コミューンの中にはレーンに属するが、ランスティングには属さないものもある(図5-4-3-5)。

また、唯一例外的にランスティングを形成しないレーン(ゴットランドレーン)があるので、21のレーン(県)に対して、ランスティング(県の執行機関)の数は20である。

 

図5-4-3-5 行政区分の関連イメージ

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上述のように、イェーテボリ市はこれまで、県と同格の扱いを受けながら、いずれのレーンにも属さない市(コミューン)であった。しかし、1999年からレギオン及びそのレギオンの執行機関(ランスティング)に属することになった。ほかにはマルメ市がイェーテボリと同じ位置付けであったが、やはりレーンに属することになった。

 

 

 

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