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現在、STS会計は財政的に黒字になっており、年間上限104チケットを208チケットに増やす計画も検討されている。ストックホルム県の場合、通院のためのSTSは無料である。

 

c. 予約・配車

配車プランニングは、なるべく効率の良い計画を行い2人以上の相乗りになるよう考慮されている。相乗りは全体の3割程度実施されている。利用者は予約時間の希望を15分単位で申し込むことができる。配車予定時刻の20分前であれば、利用者は予約を変更することができる。利用者のリクエストは希望通り受け付けられる。アメリカのパラトランジットのように、配車の都合上、事業者が予約希望時間の変更をお願いすることはない。予約・配車の流れは図5-4-3-1に示した。

 

図5-4-3-1 予約・配車の流れ

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予約は1ヶ月前から利用希望時間の30分前まで受け付ける。受け付けられた予約情報はそのままサービス当日まで蓄積される(バッチ処理)。予約当日にSAMPLANという予約・計画・配車のコンピューターが出発20分前までに計算を行い、配車計画をたてる。その際に、相乗りの可能性を判断するために、同じ時刻に同じ地域からの利用者がいないかを調べる。

利用の10分前になると、配車されるタクシーが決定され、そのドライバーに車載端末(図5-4-3-2右)を通じて知らされる。利用者はSTSカードとクーポンを持参して利用する。

 

図5-4-3-2 STSの車両と車載端末

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配車センターでは、地区内の登録タクシー会社(例えばA社)に対して、委託契約価格の安い順に指示を出して行く仕組みになっている。安いタクシー会社のキャパシティがいっぱいになると次に安い会社(B社)に回す。同価格の場合は交互に配車依頼を振り向ける。

 

 

 

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