・「よい列車を皆さんに」:列車本数の増加、新規車両購入時のアクセシブル車両導入などを促進する。
・チケット等の購入に関すること:切符を買いやすく、利用しやすい券売機にする等(銀行でチャージして何度でも使用できるマネーカードの提案等)。現在の券売機の使い勝手の評判があまりよくないためそれに対応した改善を実施。
・「生きている駅」:地方の小さな駅では1日に100〜300人程度しか利用しない。そうした駅を低機能のままではなく、付加価値を付けて「鉄道駅以外の何らかのファンクションのある駅」にするための検討を進める。
・「競争力に勝てるDSB」:マッケンジーコンサルタント社と協力して業務効率30%アップを目指す。
・DSB貨物の強化:他の諸国の事業者と連携して対応している。
b. 旅客鉄道における入札制度の導入
2000年1月からは、DSBは旅客輸送に関する新たな権限が付与された。これにより、旅客鉄道サービスは明確に2つの区分を与えられたことになる。ひとつはこれまで通りのDSBによる運営(直営)である。もう一つは、新たに入札によりサービスを外部委託するもので、これにより貨物同様、旅客輸送も自由競争に次第にシフトしていくことになる。つまり、他の民間事業者がDSBの市場に徐々に参入する可能性が出てくる。
現在はパイロット的な実験段階で一部で入札を導入し業務委託しているが、2003年からはSトレインに関して、業務のうちの15%を入札により外部委託する予定である(全路線長の5%にあたる)。試験的な委託で、DSBの競争力を見極めた上で、さらに将来的に、DSBを含む全ての認定鉄道事業者は、入札により事業に関わる計画である。
デンマークの民間鉄道は、政府や地方自治体が主な出資者となっている。現在デンマーク国内には13の民間鉄道会社がある。主として地方において、DSBの支線的な役割を担っている。民鉄は有限会社として、政府、県、地方自治体および民間の出資により所有されている。出資比率は政府が50%、地方自治体等が40%、民間が10%である。
民鉄の運営には補助金が交付されているが、政府が70%、残りの30%が沿線の関連自治体による補助となっている。1997年のデータでは、8,900万DKKが運営費として、1億500万DKKが設備投資に投入されている。民鉄は、運行距離で長いものが60km、短いもので8kmである。全体では500kmの路線が国内で運行されている。1996年のデータでは年間旅客数は1,160万人である。
こうした鉄道事業者が安全基準を満たして適切な運行が行われているか検査を行うために、鉄道検査局(the Railway Inspectorate)が設けられている。