日本財団 図書館


g. 今後の計画と課題

i) 今後の計画

長期的な計画として:

・入札制度をさらに採り入れてHTの管理部門を除いてすべてを委託化する。

・IT技術の導入(特に遅延や接近情報等を重点的に整備する)。現在は遅延情報をドライバーが自らの判断で利用者宅に電話している。将来的にはこうしたサービスが自動でできるよう検討する。

 

ii) 評価

年に1度、快適なサービスの継続的な提供を確実にするため、利用者の満足度調査を実施している。1998年の調査では、73%が「非常に満足している」と回答しており、さらに21%が「満足している」と回答している。

これまでのところ、入札とコンピューターによる配車システムを導入した結果、コストが40%低減した。コールマネージメントセンターの開設により、電話サービスの対応が向上した。

競争入札により、事業者の市場競争とドライバーのよりよいトレーニング、装備の改善をもたらした。同時に顧客満足度は低下していない。

苦情は月に30件程度ある。当日のキャンセルは5〜6%ある。

 

iii) 課題

ハンディキャップ・サービスについては、大規模事業者による柔軟性の欠如及び小数の大規模事業者の寡占状態になる中で、ハンディキャップ・サービスの脆弱性を高めてしまうことが懸念される。大規模事業者のうち1社が倒産した場合、およそ35〜40%のサービスが提供不可能になり、現在の委託状況では、結果的に利用者サービスが崩壊する恐れがある。

 

<参考文献>

・HTヒアリング

・HT. Welcome to HT 1996年6月

・HT. Grφnt Regnskab for Hovedstadssomradets Trafikselskab 1999 2000年4月14日

・HT. Public Transport for the Disabled in Denmark

・(財)運輸政策研究機構『第1回欧州バリアフリー交通調査団報告書』2000年1月

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION