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図3-4-3-4 ショップモビリティのオフィス(左)、ショッピングセンターの様子(右)

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1994年からサービスを開始し、現在、18台のスクーターを有し、1,459人の会員が登録している。ショッピングセンターの寄付により運営され、事務所のテナント料は免除されている。運営はボランティアにより行われている。また、常勤として有給職員が2名おり、市役所のボランティア担当部署から給与が支給されている。チャリティおよび有限会社として法人登録されている。

 

b. マンチェスターにおけるショップモビリティの必要性

パンフレットによれば、「ショップモビリティ・マンチェスターは、スクーター、電動または手動の車いすを提供することにより、一時的または永続的な障害を持つ人ならば誰でも、都市の自由を満喫できるように手助けするものである。サービスの提供は無料で行い、マンチェスターの中心街で利用することができる。」

マンチェスターおよびマンチェスター都市圏のショップモビリティに対するニーズに関するデータを示した(表3-4-3-6)。また、近年、長期疾患(Limiting Long Term Illness=L.L.T.I)といわれる定義が使用されるようになっており、その定義に当てはまる人の多くが、ショップモビリティを必要とする層ではないかと考えられている。

L.L.T.I.に関するマンチェスター市のデータによれば、マンチェスター市は英国内の366地方自治体のうち6番目に高い標準化L.L.T.I.率であり、市内在住者の17.3%がL.L.T.I.を患い、その割合は国の平均値であるイングランドとウェールズの値13.1%よりも高くなっているとのことである。より高齢のグループはL.L.T.Iの罹患経験が高く、75歳以上の後期高齢者では48.8%がL.L.T.I.を患っている。マンチェスター市内のほぼ1/3にあたる31.5%の世帯で、最低1人のL.L.T.I.患者がいるとされている。

 

表3-4-3-6 マンチェスターおよび周辺の障害者数

・マンチェスターを中心とした30マイル圏の障害者の数:900,000人

・上記のうち移動の制約がある人:600,000人

・マンチェスター都市圏に居住する障害者の数:250,000人

・マンチェスター市に居住する障害者の数:50,000人

 

 

 

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