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9〜16人乗りのミニバスは、このD1というカテゴリーの免許が必要である。しかし、これまで普通免許でミニバスの運転に従事していた者については、D1資格を有しないで済むようにいくつかの緩和策が取られている。例えば2年以上の運転経験があれば、D1の取得を必要としない。なお、D1は取得が難しいため、新規にD1を取得してミニバスに従事しているドライバーはまだごくわずかである。

しかし、普通免許がある場合で、運転経験が豊富でもミニバスのドライバーとしての適正な技術を体系的に身に付ける必要がある。そのため、MiDAS (Minibus Driver Awareness Scheme)というドライバートレーニングプログラムが用意されている。CTAがマネージメントを行い、各地のミニバス事業者や規模の大きなCT組織が教育の実施機関となっている。主な内容は、運転技術に関する適性講習、ミニバスの法的位置付け、乗客の安全、安全な運転技術、緊急時の対応、車いす等の乗降のための介助技術である。講習費は£250〜300くらいが一般的である。MiDAS受講済み者は全国で、現在3万名弱いるが、2000年末には50,000名にする目標を立てている。

 

表3-4-3-3 ミニバスの運転に関する資格

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d. 1985年交通法のセクション19と22

コミュニティ・トランスポートの運行に関しては、1985年改正の交通法のセクション19およびセクション22が関係する。これはミニバスの運行に関する規定で、CTの運営の方法に直接関わるものである。これら2つの条項のポイントを比較したものが表3-4-3-4である。

セクション19は、運賃の徴収もしくは車両を貸す場合のチャーター料金を徴収することはできるが、一般大衆を乗せることは認められていない。つまり特定の目的で特定の利用者に限定した運行が許可されるものである。例えば学校の送迎で生徒から料金を徴収する、高齢者・障害者に限定したダイアル・ア・ライドを運行して料金を徴収するなどである。

これらの条項に示された車両の条件以外で、非営利目的での運行を行うことは可能であるが、さらに関連した規定に対応しなければならない場合もある。例えば8人乗り以下の車両を貸し出す場合は、通常は乗用車の貸し出しと解釈されるが、貸し出しの方法によっては、タクシー事業者のライセンスが必要になるケースもある。

 

 

 

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