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実現可能性の検討とは、われわれの駅施設などをアクセシブルにするために、隣接する建物を取り壊さなければならないような状況ならば、アクセシブル化の工事は不適当と判断される。財政的な観点でみると、エレベーターの設置により、既存主要駅の改修工事費用が通常の2倍もコストがかかるようであれば、対応しなくてもよいという判断になる。ただし、これはあくまでも例であり、こうした改修が困難な状況にある駅は今のところ存在していない。

 

図3-4-2-7 ジュビリー線のプラットホーム

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図3-4-2-8 新型車両の車内

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c. ドックランド・ライト・レール(DLR: Docklands Light Railway)

1987年に開業したロンドンで最初の完全にアクセシブルな軌道システムである(図3-4-2-9)。ロンドン東部の再開発地区ドックランドを中心に、路線のほとんどが高架で運行されている。2000年にはルイシャム駅(Lewisham)まで延伸された。さらに、将来的にシティ・エアポート(City Airport)にも乗り入れる予定である。

ライトレールの駅はどれも小規模で、乗降のための単機能なものがほとんどであるが、エレベーターやエスカレーターがわかりやすい場所に設置されている(図3-4-2-10)。乗降に際しては、ホームと車両との段差がなく、車内も車いすスペースが設けられている。新型車両では、駅名等の電光掲示や目立つ色の手すりが設置され、車両連節部も完全にフラットになっている(図3-4-2-11)。

 

 

 

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