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3] 実施規則(コード・オブ・プラクティス)、改善施策等

DDAでは、規則に従わない場合の罰則規定を設けている。パートIIIでは、不適切な施設を提供している事業者に対して、障害者が訴訟することができる旨明記している。

鉄道では事業管理者は、民営化企業は障害者のニーズを配慮することを確実にするためのに責任を負うとされている。また、政府間取り決めにより、事業者が障害者に関する規定を満たしていない場合、イギリス海峡を横断する鉄道事業者の事業許可を差し止めることができる。

規定は、重度障害者のための駐車場割引、地方での屋外モビリティのために、高速道路では、障害者の電動「患者搬送」の使用を認める。

DDAの規定により、政府が、障害者の公共交通利用円滑化を図るための最低基準を策定することを可能にした。最初のアクセシビリティ規則は、1999年1月1日以降使用される、全ての新型鉄道車両に適用される(表3-2-2-4)。こうした実施期限は現在の車両の耐用年数を見越して設定されたものである。駅および他の交通施設へのアクセスは、DDAのPart3によってカバーされる。

 

表3-2-2-4 規則の実施期限

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4] 10ヶ年計画とバリアフリー整備

10ヶ年計画(DETR Transport 2010 ‐ The 10 Year Plan)では大きな予算が組まれている。先陣をきってバスとコーチの規制が2000年末から始まる。10ヶ年計画では、これまでの10年間と比べて75%増にあたる投資が行われる。アクセシビリティ対策のための予算が特に定められているわけではないが、整備がDDAに従ったものであることが原則なので、新たに整備されたものについてはバリアフリー化されていることになる。

 

5] 交通10ヶ年計画の概要(DETR Transport 2010 The 10 Year Plan) (詳細は資料3)

この計画は、今後10年間で国内の交通を利用者にとっての使いやすさと環境負荷の少ないシステム作りという観点から根本的な変革を目指したものといえる。目標として「今後の10年間で交通システムを変えることである。全ての人にとって、移動をより安全に、より魅力的に、よりアクセシブルにして行くために、混雑や大気汚染の問題に取り組むこと、選択肢を増やすこと、水準を上げることが重要である。よい交通機関は、よりよい環境と、われわれのQOLにとって欠く事のできないものである。」というゴールを位置付け、計画的に変革を進めることをうたっている。

この計画では、道路混雑と公共交通の拡充を推進するため1,800億ポンド(日本円で約31兆円、年間およそ3兆1千億円)の予算が交通に対して組まれている。資金調達の4分の1以上は民間投資により行うとしている。そのうち民間セクターと公的セクターの間にもたらされる投下資本額1,210億ポンドというのは、過去10年間の実績と比較すると実に75%増の予算になっている(表3-2-2-5)。

 

 

 

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