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1995年時点では、車いすで乗車できる車両が全ての国に普及している(スウェーデン、オランダ、ノルウェーでは数字こそ報告されていない)。普及率は0.16〜20%まで、大きな開きがある。

ドイツでは車いすに対応した車両の台数が最も多く、1990年から、特に都市部において積極的な導入を図っている結果といえる。地方でも今後ローフロア車の導入が進むと考えられる。

ギリシャではアテネ都市圏でローフロア車が大量に導入された。1995年時点で、およそ1,800台の車両をすべてローフロア化する計画がたてられている。

フィンランドでは車内のステップの高さ、段鼻への着色等に関する技術基準を定めており、1990年以降に製造されるバスはこの基準に対応しなければならないことになっている。しかし、色のコントラストや手すりの設置位置などの明確な規定は盛り込まれていない。

イギリスでは推奨仕様は定められているが、義務化されていない。新しいバス車両の大多数はこの仕様を満たしていると考えられるが、全てに行き渡っていないと考えられる。

スウェーデンでは、具体的な回答はないが、何らかの車内のアクセシブル化対策がとられていると考えられる。

チェコ、フィンランド、スペイン、カナダ、イギリスの一部では、ローフロアではなく、リフト付き車両を導入しているところもある。

 

b. ローフロア化に係るコスト負担

バスのアクセシブル化のためのコスト負担の方法については、各国で対応が異なる。

フィンランドでは、ローフロアバス1台あたり100,000フィンランドマルクを助成する制度があり、ヘルシンキ都市圏では、地方自治体が事業者に補助金を交付する制度がある。

ドイツでは、ローフロアバスの購入補助として連邦から補助金が交付される。この補助金は、自治体公共交通財政法(the municipal Transport Finace Act)に基づいている。

カナダでは、バスの改善費要については州政府の管轄である。例えば、アルバータ州では、ローフロアバスの購入費に対して30,000ドルを上限に補助金が交付される。ケベック州では、既存車両の改造費に対して、75%までの助成金が交付される。また、州内の自治体と連携してローフロアバスの運行に対して助成が行われている。

デンマークでは、中央政府と事業者でコストを分担している。ノルウェー、スイス、イギリスでは、助成を行う地方自治体もあるが、基本的に事業者がバリアフリー化の費用を負担する。

 

 

 

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