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最近の傾向としては、地域毎に発足した組織の連携による広域化、公共交通機関との相互補完、更にはドイツのヴォバーン、チュービンゲンの「車のない街区」で見られるカーシェアリングのサービスです。

公共レンタカーはシティカーとも呼ばれ、スイスのマルティニやフランスのラ・ロッシェルなどは環境保全、電気自動車の普及施策の一環として取組まれております。

以上の様に、自動車共同利用は都市づくりの面でも重要な施策の一つとして注目されています。

一方、日本では公共レンタカーの社会実験が各地で始まっておりますが、カーシェアリングの社会実験は、まだ実施されておらず、当財団が来年度の実験を目指しております。

(委員長:太田勝敏 東京大学大学院教授)

 

2 環境と自動車を考えるシンポジウムを開催しました。

環境問題の関心の高さを改めて実感

 

現在の自動車社会にとって、環境問題の解決は最重要の課題であると言っても過言ではありません。地球温暖化の原因となる我が国の二酸化炭素排出量のうち約2割は運輸部門で占めていますが、そのうちの約9割は自動車からの排出に依るといわれています。また、大都市地域における大気汚染対策の観点からは、ディーゼル車の排出ガスが最大の問題となっています。そして、道路混雑の激化が地球温暖化原因物質や大気汚染物質の排出量の増加に拍車をかけています。

自動車社会をめぐる環境問題の解決には、低公害車をはじめとする環境自動車の開発・普及、低燃費車の普及、公共交通の利用促進や物流の効率化、渋滞対策の促進等様々な政策手段を効果的に組み合わせていくことが必要不可欠であり、グリーン税制の実現もその中の最重要課題の一つとなっています。

このシンポジウムは、「交通をめぐる最大の環境問題は自動車による環境問題である」との認識から、21世紀に向けて環境に優しい自動車社会を構築していくため、環境自動車の普及促進等様々な取組みの必要性が論じられる中、それぞれの主体が何をなすべきか、有識者を交え論議し理解を深めていただくことを目的に開催したものです。

当日は、運輸省、通産省、環境庁の幹部の方々並びに与党三党の国会議員の方々を来賓としてお迎えし、スピーチを頂いた後、東京大学の石教授並びに石谷教授にそれぞれ個別のテーマでご講演をいただきました。また、参加者からの質問に答える形でお二方による対談も行われました。400人以上収容できる会場でしたが、座り切れない人が出るとともに、講演者に多くの質問が出るなど会場は熱気にあふれ、運輸交通に係る環境問題の関心の高さを改めて実感させられました。

 

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