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エコモ最前線レポート

公共交通ターミナルのやさしさ評価事業

 

当財団において実施している公共交通ターミナルのやさしさ評価事業は、公共交通機関の施設(ターミナル)をエレベーター、エスカレーター、障害者用トイレ等のバリアフリー施設の有無について、ただ単に評価するものではなく、駅のバリアフリー化について、どのような問題があるのか、どのような改善策があるのかを、利用者の利便性の向上から明確にしていきます。そして鉄道駅を利用する際に制約を持つ利用者自身が参加することで、利用者のニーズをより的確に反映させ、鉄道事業者と移動制約者が問題点を共有することによってバリアフリーの推進を図ることを目的とした事業です。明確な整備基準目標にもとづく評価を通じて問題点を明確化することにより効果的かつ効率的なバリアフリー対策の推進につなげることを目指すとともに、バリアフリー対策が進んでいる駅を高く評価することにより鉄道事業者のバリアフリー整備意欲を喚起することを目的とした事業です。

 

■評価の考え方

公共交通ターミナルを利用するに際しての制約は、大きく次の3点に分類できると考えられます。

1] 移動・アクセスの制約

ターミナルヘのアクセス、ターミナル内の移動に制約があること

2] 情報認知・伝達の制約

経路、案内情報の認知や意思伝達に制約があること

3] 施設・設備利用の制約

施設や設備、機器の利用に制約があること

 

これらの制約の改善の度合いにより公共交通ターミナルのやさしさの評価を行います。具体的には、次のとおり、1]移動のしやすさ、2]案内情報のわかりやすさとソフトの充実、3] 施設・設備の使いやすさの3つの観点から評価を行います。

 

1] 移動のしやすさ

・切符を買って列車に乗降するまでの一連の移動経路が短く、また経路がわかりやすいこと

・水平移動がしやすいこと

・垂直移動がしやすいこと

2] 案内情報のわかりやすさとソフトの充実

・駅利用に際しての基本的な経路や即時性のある運行情報、施設の位置など、利用者に役立つ情報を適切に提供できていること

・点字ブロックや音声等により視覚障害者にわかりやすい経路情報を提供できていること

・案内やサイン、各種の情報の大きさ、色、表示法方がわかりやすいこと

・案内情報が適切な位置に設置されており見つけやすいこと

・多様な移動制約者の特性を理解しニーズに対応するために、従業員の研修やマニュアルの整備を行っていること

3] 施設・設備の使いやすさ

・駅の設備に最低限のバリアフリー化が施されていること

・電話・待合スペース、トイレ、ベビーベッドなどの付帯設備が充実していること

・設備に近づきやすく、また、操作しやすいこと

 

 

 

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