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停止歩数の定義方法を図3.9に示す。ホーム縁端を示すブロックに最初に接触した足を0歩目とし、以降1歩目、2歩目…とした。足を後ろに引くような場合でも、単純に歩数としてカウントして記録した。

停止距離、停止歩数ともに、測定された値は一切読み上げずに記録用紙に記入した。記録された数値が被験者に伝わることで、被験者がより良い結果を出そうと努力してしまうことを回避するための措置である。

 

2] ホーム縁端を知らせるブロックがない場合(停止不要条件)

ホーム縁端を知らせるブロックがない条件では、平均歩幅と歩行速度を測定した。

平均歩幅は、図3.10にあるように被験者が歩き始めてから3歩目を一定速度に達した地点とみなし、このときのつま先位置の床面にチョークで印を付け、10歩目のつま先位置の床面に同様に印を付けた。この間の距離を測定し、当該試行の距離データとした。この距離データを歩数の7で除したものを当該試行の平均歩幅とした。

歩行速度は、図3.10にあるように、被験者が歩き始めてから3歩目の着地の瞬間にストップウォッチによる時間測定を開始し、10歩目の着地の瞬間に測定を終了した。なお、測定の正確さを期すため、時間の測定は2名が別々に行い、得られた2つの時間データを平均して当該試行の時間データとした。前述の距離データをこの時間データで除して当該試行の歩行速度(単位:m/s)を得た。

白杖の使い方は実験指揮係が記録した。

上記の測定区間を十分に過ぎた後、被験者制止係が被験者の歩行を停止させた。被験者が停止した後、測定・記録係1が、被験者に「止められるまで歩き続けた理由」を聞いた。被験者が、床面の小さな異物などに反応して止まってしまった場合は、止まった理由を聞いた上で無効の試行として別途再試行を設けた。

なお、実験者各係は、被験者の歩行行動に影響を及ぼすことがないよう十分注意した。

 

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図3.10 歩行速度と平均歩幅の測定方法

注:図では左足から歩行を開始しているが、実際の歩行開始は左右どちらでも良いこととした。

 

 

 

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