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3.2 実験実施概容 

3.2.1 実験実施時期

実験は、平成12年11月18日から12月7日の間の平日および土曜日のうち雨天ではなかった14日間に行われた。

3.2.2 実験実施場所

供用中の駅で実験を実施することは、被験者の安全および他の一般利用者の安全を考慮すると極めて困難である。そこで、東京都国分寺市にある財団法人鉄道総合技術研究所国立(くにたち)研究所の敷地内に新たに屋外実験場を設けて実験を実施した。屋外実験場の新設工事の様子を資料編2-1に示したので参照されたい。

3.2.3 被験者

「白杖による単独歩行が可能で、日常的に鉄道を利用している年齢15才以上の全盲の視覚障害者」を被験者とした。点字毎日(毎日新聞社)の協力による記事掲載に基づく公募と、視覚障害者団体を通した被験者募集の結果、最終的に34名の視覚障害者から実験参加への了解が得られた。なお、被験者に対しては、実験に先立って実験の趣旨等を電話で説明した。とりわけ、実験は休憩を挟み最大2時間程度屋外で行われることや、天候によっては寒い条件下に置かれることを伝え、参加の意志を改めて確認した。実験の実施に際しては、すべての被験者に傷害保険への加入を措置するとともに、安全面で十分な配慮を行うよう留意した。

3.2.4 使用したブロック

実験で使用したブロックは、平成9年から11年の間に通産省製品評価技術センターなどを中心に実施された「視覚障害者誘導用ブロックに関する標準基盤研究」3)4)(以下、文献番号3の実験を通産省製品評価技術センター平成9〜10年度実験、文献番号4の実験を通産省製品評価技術センター平成11年度実験とする)の結果を参考にし、審議が進められていたJIS規格原案にほぼ準拠したものを試作した。以下の図3.1、図3.2、図3.3に実験で使用した3種類のブロックの形状と寸法を示す。材質は、JIS A5304舗装用コンクリート平板ブロック5)に準ずるコンクリートとした。角の欠損防止や製造上の都合により、各ブロックの突起部分における上面と斜面が交差する角の部分は図3.4に示すようにR≦2mmの丸みを施した。なお、想定外の事態が生じた場合でも、視覚的な情報を手がかりにできないようにブロックは周囲の床面と同色(コンクリートの素材色)とした。実験に使用したブロックの写真を資料編2-3に添付した。

 

 

 

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