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(関連規則)

1. JIS C 4003-98 電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価

旧版「JIS C 4003-1977」の基礎となったIEC 60085:1957が、1984年に大幅改正されたのに伴い、IEC規格と整合させた新版「JIS C 4003-1998」が発行された。

この新版は旧版に、相当大幅の改正が加えられており、定義などを正しく理解する必要があるので、その概要を次に示す。

(a) 定義

イ. 電気絶縁:電気製品に使用されている絶縁材料及び絶縁システム。

ロ. 耐熱クラス:電気製品を定格負荷で運転したときに許容できる最高温度を基にして決めた電気絶縁の耐熱クラス。

ハ. 温度:絶縁の実際の温度。

ニ. 絶縁システム:電気製品において、導体と組み合わせている単一の絶縁材料又は絶縁材料の組合せ。

ホ. 電気製品:耐熱クラスの指定が必要な絶縁を用いたすべての電気製品。

(b) 改正された主な項目

イ. 旧版では、機器絶縁では、Y種、A種、E種、B種、F種、H種及びC種絶縁に区分され、各種絶縁に使用し得る「絶縁材料表」が参考として例示されていた。

ロ. 新版では、電気絶縁の耐熱クラスは、それぞれ耐熱クラスY、A、E、B、F、H、200、220、250、また250℃を超える温度は、25℃間隔で増し、それに対応する温度の数値で呼称する。

なお、「絶縁材料表」が削除され、適切な使用経験(電気絶縁システムの破壊がある場合又はない場合の使用に関する定量的又は定性的な記録のこと。)又は適切な試験によって絶縁の耐熱性を評価し、耐熱クラスを指定することが決められている。また、適切な絶縁材料及び絶縁システムを選択し、耐熱クラスを指定するのは電気製品の製造業者の責任となった。

 

 

 

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