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DSC装置は、特定の船舶又は海岸局を選択して自動的に呼出を行う機能と呼出に関する情報を表示する機能とを持っている。

デジタル選択呼出に使用されるデジタル符号は、誤り検出符号を含む10単位の同期信号で構成されている。

表2・2にDSC装置に使用される、10単位の誤り検出コードを示す。

 

(1) 信号の構成

遭難呼出などの呼出信号の構成を、図2・7と表2・3及び表2・4に示す。

1] 呼出信号

最初のドットパターンでは受信の同期をとり次の信号の位置を正しく定めるための0と1の繰返信号である。

MF帯、MF/HF帯では2秒間、VHF帯では1秒間続く。

2] フォーマット信号

フォーマット信号には、遭難呼出(112)、全船呼出(116)、海域呼出(102)、船団呼出(114)、個別呼出(120)の5種がある。フォーマット信号は2回繰返し送信される。

3] アドレス、カテゴリー信号

フォーマット信号に続いて、呼出し先のアドレス、カテゴリー信号が入る。

また、呼出しの種類によっては、この後のシーケンスが若干異なる。遭難呼出し以外に入る(通信の)カテゴリー信号には、遭難(112)、緊急(110)、安全(108)、船舶業務優先(106)、通常業務(100)があり、その通信の優先度を指す。

4] 自局の識別符号

アドレス、カテゴリー信号に続く自局の識別符号で、自局の識別符号を5文字の数字に変換した信号を送出する構成となっている。

 

(2) 遭難呼出、その他の呼出情報

遭難呼出の情報は、遭難の種類、遭難位置、時刻及び引続く送信形式で構成される。

また、その他の呼出では、自局の識別符号の後に送信電波の型式や種類及び送信のチャンネル又は周波数を指定する情報が付加される。

遭難呼出を行う場合の、遭難の種類の情報は、手動入力でのみ可能となっている。

 

 

 

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