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また、距離分解能の場合と同じく、PPI用ブラウン管の最小輝点によっても影響される。近距離にあっては輝点ができただけでも、その横幅の方がビーム幅より大きい場合がある。

更にビーム幅で決まるといってもある標準的な値であって、近距離の反射の強い物標では、感度を適正に調整しなければ横幅広く反射を表し、サイドローブで反射が表されて左右90度方向にも映像(これをサイドローブ偽像という。)が表示され、さらにはもっと強く反射が表されるようになると、円周状に映像がつながってしまう場合さえある。

 

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図6・11 レーダーの水平ビーム幅

 

6・3・5 レーダー映像の鮮明度

PPIスコープではAスコープと違って、表示された映像の鮮明度が問題となる。1つの物標を輝点として表す場合、その物標から帰ってくる反射パルスの数が多い程ブラウン管の螢光面に貯えられるエネルギーが増大してよく光ることとなる。この数をヒット数というが、アンテナが1回転(これを1スキャンという。)する間に物標に当たるパルスの数は、次の(6・7)式のMで与えられる。

169-2.gif

ただし、Nはアンテナ1回転の間のスイープの本数

θ はビーム幅

m は1秒間に発信するパルスの数(パルス繰り返し数) (パルス繰り返し周期の逆数)

t はアンテナが1回転する秒数(アンテナ回転速度) (60÷アンテナ回転数)

 

 

 

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