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図4・21に示すように妨害波は種々の経路を通って被妨害機器に影響を与える。電源線や信号線を伝わる伝導妨害と電波による空間波妨害に大別されるがこれらの妨害が複合して影響を与える場合も多い。EMCではある機器から発生する妨害波のレベルを国際的に規制している。

ある機器が妨害波を受けた場合の妨害波排除能力をイミュニティと呼ぶ。イミュニティは医学の免疫の用語から引用している。ある機器に妨害波を加えてイミュニティを測定して機器ごとに必要なイミュニティレベルが国際的に取り決められつつある。

 

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(1) 空間伝播

(2) 電源線などによる放射電磁界のピックアップ

(3) 電源線などによる導波伝播(伝導伝播)

(4) 近接線路間の静電的・電磁的結合伝播

図4・21 妨害波の経路

 

EMC規格と規制

(A) EMC国際規制:

EMCを維持するために国際及び国内組織により規制が行われている。国際的にはIEC (国際電気標準会議)のTC77専門委員会で基本的及び共通的な規格を制定している。IECが支援し、国際放送連合、電気事業国際関連機関等が集まり1950年に組織化された国際無線障害特別委員会(CISPR)は妨害波発生の許容値や測定法等具体的な機器の規格や規制を国際的に取り決める組織である。CISPRには運営委員会WG1(共通エミッション規格)の他にSC-A〜SC-Gの7つの小委員会があり、それぞれの分野での許容値、測定法などを国際的に審議している。

CISPR小委員会(SC):

SC-A;無線妨害の測定及び統計的手法

SC-B;工業・科学・医療用高周波装置に関する妨害

 

 

 

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