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電子工学的に見ると電子が移動することを電流と呼ぶ。1個の電子は非常に小さくて軽い粒子である。電子の質量は約9.12×10-31kg、電気量は約1.6×10-19クーロンである。1秒間に1019個の電子が移動すると1アンペアの電流になる。

図1・25に導体と絶縁体の内を電子と陽子が移動する様子を示す。導体中の電子はプラス極へ、陽子はマイナス極に向かい移動するので電流はプラス極からマイナス極へ流れる。絶縁体中では電子と陽子が結合して離れないので電流が流れない。

原子核に近い軌道からK番目の軌道に入る電子の数はパウリの禁止則から

n=2K2   (1・37)

個を満たすときその原子は安定状態となり、電気的絶縁体となる。逆に電子が少し不足又は過分で電子が移動しやすい原子は導体となる。

 

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図1・25 導体と絶縁体中の電子と陽子

 

1・3・3 半導体とデバイス―N型とP型半導体

電子素子をデバイスという。図1・26に半導体の核外電子(価電子又は外核電子とも呼ぶ)の配置を示す。

 

 

 

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