次いで、1996年12月の第67回海上安全委員会において、レーダーの性能基準を定めているIMO総会決議A.477を改正する決議MSC.64(67)が採択された。同改正は、近年の技術的進歩及びARPAの決議A.823による改正に従い、NAV41において最終化された。改正の要件は、1999.1.1以降の船舶に搭載されるレーダーに適用されている。前決議からの改正の概要は次のとおりである。
(1) 表示器の性能
・表示面直径の変更(大型化)、総トン数の区分変更。
*150GT以上〜*1,000GT未満…180mm
注*国際的には未決。(1999.1.現在)
(国内500GT以上)
*1,000GT以上〜10,000GT未満…250mm
10,000GT以上〜 …340mm(2台とも)
・距離表示範囲(短距離表示の追加)
0.25、0.75、1.5、3、6、12、24海里レンジを含む
・表示内容(航海又は衝突防止にかかる情報のみ表示)
・レンジスケールの起点は自船
・カラー表示の場合の要件、ほか
(2) 距離測定
・電子固定距離環の増加(特に短距離)
0.25〜0.75海里レンジ…2〜6本、1.5〜12海里レンジ…6本
・電子可変距離環マーカーの距離数値表示
・距離環の誤差変化(オフ・センター状態も)、ほか
(3) 船首方位指示…船首方位線の長さ
(4) 方位測定
・表示される物標の方位を5秒以内に得るために、電子方位線に方位表示
・電子方位線太さ、明るさ(可変)、消去、回転、方位表示等機能
・表示画面の方位メモリ要件変更
・相対方位と真方位の測定機能
・平行線の表示
(5) 分解能…距離分解能、方位分解能の強化