日本財団 図書館


081-1.gif

図4・29 従来方式の表示系統図

 

4・6・1 トリガ発生回路

トリガ発生回路はマグネトロンで発振するパルスの繰り返し周波数を決定する発振回路で、このパルスがレーダーの動作の時間的基準となっている。したがって、このパルスは変調回路やSTC回路の起動パルスとしても、また、表示系統の他の回路の時間的基準としても用いられる。

 

4・6・2 ゲート回路

CRTの中心から外周までの距離、すなわち探知距離範囲は、0.5海里、1海里、3海里や10海里のように、探知したい物標の距離に応じて切り替えることができるようになっている。これを掃引時間について考えてみると、0.5海里では6.17μs、1海里では12.35μs、10海里では123.47μsの時間内に輝点を中心から外周まで掃引しなければならないことになるが、この探知距離に応じて時間幅を決める回路がゲート回路である。また、この掃引時間以外に生ずる不必要な映像は写し出さず、さらに掃引線の帰線を消去することも必要となる。これには、送信が休止している間はCRTがカットオフになるような電圧をかけ、探知時間の間だけカソードに負の電圧(あるいは第2グリッドに正の電圧)を印加してバイアスを浅くして、第1グリッドに信号入力があれば掃引線が輝点となって光るようにすればよい。これらの時間関係を図4・30に示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION