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また、この角度θが大きいほど発射される電磁波は大きくなり、逆にθ=0で発射は零となる。発射される電界Esは、、水平方向の電界EHと垂直方向の電界Evとから成っている。図4・17(b)に示すように、隣接したスロットの間隔をλg/2とし、各スロットを逆の傾きで切っておくと垂直成分は互いに打ち消し合い、水平成分のみが相加わって水平偏波の空中線となる。〔図4・17(b)参照〕

 

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図4・17 スロットの空中線における電界と磁界の状態

 

このように集中した鋭いビームを得るためには、多数のスロットを一つずつλg/2の間隔で、それぞれ逆方向の傾きにして、中央部で傾斜角を大きくし、両端ではこれを小さくする。〔図4・18(a)参照

電磁波のエネルギーはスロットを設けた導波管の一方の側から給電するが、給電側と反対側の終端は、最後のスロットからλg/4のところに吸収体を設け、空中に放射したエネルギー以外のものはこの吸収体で吸収して、無反射の状態とする。このように、終端を無反射にすると、スロットの数が少なくても鋭いビーム幅を作ることができるので空中線の長さを短くすることができる。しかし、周波数特性が悪くなる欠点もある。

 

 

 

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