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図3・4 空胴マグネトロン内の電子の運動

 

こうして、一部の電子が陰極の近くに戻ったり、陽極に吸収されたりしながら、加速された電子が固まっていく傾向を生じ、もし、電界と磁界の強さが適当なら結果的には図3・4に影で示したような形に集まった電子束が、高周波電界の振動に同期して矢印の方向に回転をするようになる。

このような電子束の回転は、各空胴共振器に振動エネルギーを供給し、いつまでも振動が持続することになる。このようなマイクロ波の振動は、図3・3に示すように、一つの空胴共振器から出力用のループによって外に取り出される。

代表的なマグネトロンM1437の特性は次のようなものである。

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3・2 クライストロン

クライストロンは、航海用レーダーの受信機の局部発振器に使用されているが、最近はマイクロ波用半導体のガンダイオードに置き換えられ、さらに局部発振器、周波数変換器が一体となったマイクロ波集積回路に置き換えられている。現在クライストロン陸上用に使用されているが、一般商船レーダーには使用されていない。クライストロンは速度変調管とも呼ばれ、船舶用レーダーの局部発振管に使用されていたものは反射形である。

 

 

 

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